上写真=長倉幹樹はこれで今季6ゴール。J1のキャリアハイだ(写真◎J.LEAGUE)
■2026年10月10日 J1第9節(観衆34,998人/@味スタ)
FC東京 3-0 浦和
得点:(F)長倉幹樹、安斎颯馬、佐藤恵允
「図太さっていうんですかね」
目の覚めるような63分の先制弾は「たまたま」だと振り返る朴訥さ。長倉幹樹のこのゴールはJ1でのキャリアハイとなる6ゴール目だった。
続けて69分と85分にはアシストもマークして、「(安斎)颯馬と(佐藤)恵允が決めてくれてよかった」と喜びの表現もシンプルで真っ直ぐだ。
古巣の浦和レッズを相手に決めた、キャリアハイの一発と2つのアシスト。物語として最高だ。
2025年にアルビレックス新潟から加わった浦和で苦しんだ。リーグ戦では一度も先発がなく、出場は13試合、わずか133分のプレーで1ゴールだった。その後、6月にFC東京に期限付き移籍すると、そこで一気に覚醒した。
この日の自らのゴールは、常盤亨太のパスを安斎颯馬がフリックして受けたボールを、相手に捕まりそうになりながらも強引に持ち出して左足で決めたもの。安斎のゴールのアシストは、右深くに裏抜けしてから、マイナス方向にいたマルセロ・ヒアンに送った目線をフェイントに使い、ゴールラインと平行に送って安斎に蹴り込ませた。3点目のアシストは仲川輝人の短い縦パスを内側に残すように送って、佐藤恵允に飛び込ませた。
プレーエリアも技術も幅が広いスタイルを、かつての仲間を相手に存分に披露してみせた。
「これまであまりプレーしてる姿を見せられなかったから、チームは違いますけど、プレーできたことはよかったです」
喜びは静かだ。
今季は9試合すべてにプレーして、6ゴールはもちろんチームトップ。「試合に出て活躍しないと試合に出られない。当たり前のことですけど、それを感じました」。浦和での日々で学んだことをいま、全身で表現している。
そんな好調の理由は「自分が自分が、にならないで、空いてる選手がいればそっちを使うことを意識している」こと。自分で取って味方にも取らせたこの試合のパフォーマンスこそが、その真骨頂なのだ。
チームも4連勝でそのすべてが無失点と、攻守にスキがない。「図太さっていうんですかね。点を取られてないところもそうだけど、そういう強さがある」というのが、ピッチの中の確かな実感。
その「図太さ」を先頭に立って体現しているのが、この背番号26だ。
