上写真=こぼれ球に誰よりも早く反応した松村優太が蹴り込んだ(写真◎J.LEAGUE)
■2026年9月19日 明治安田J1第8節(観衆22,734人@U等々力)
川崎F 3-3 鹿島
得点:(川)マルシーニョ、伊藤達哉、ペドロ・ホマーノ
(鹿)レオ・セアラ2、松村優太
「反応やスピードは自分の特徴」
アシストしても、ゴールを決めても、松村優太は何もうれしくない。
「鹿島には勝ちしか必要ない」
強調したのはそのことだ。
「うちは勝たないといけない」
「勝たないといけないチーム」
「勝ち切れがなかったのがすべて」
そんな言葉が続く。自らが先制点をアシストしても、一度は逆転となるゴールを決めたとしても、それでも勝てなかった事実を上回ることはできないのだ。
もちろんそうだとしても、そのアシストとゴールのレベルは高かった。
川崎フロンターレに押し込まれ続けながらも、落ち着いて耐えた44分にアシストだ。ロングボールが飛んできてレオ・セアラがヘッドで右サイドの自分につないでくれた。落ちてきたボールを低くて速いクロスにしてすかさず中央に送ると、レオ・セアラのヘッドにピタリ。うまく流してゴール左へと送り込んだ。
「シンプルにロングキックからレオや徳田(誉)選手が競ったあとは狙えるという話はしていました。あれはレオしか決められないようなクロスでした。決めてくれてよかったなと」
仕込みどおりの展開からの高難度のクロスだった。
そこから一度は逆転されながらも追いついて、迎えた83分のゴールで逆転してみせる。こぼれ球を柴崎岳がダイレクトシュート、GKスベンド・ブローダーセンに弾かれてチャンスは潰えたかに見えた。だが、一人だけ、松村の反応が早かった。
「あそこの反応やスピードは自分の特徴でもあるので、それが生きたゴールだったと思います」
ほんの少し対応が遅れた川崎Fの選手3人が、すがるようにブロックに入ったのを尻目に左足できっちりと蹴り込んで、3-2とスコアをひっくり返した。
だが、90+7分にゴールを許してしまい、3-3で試合を終えることになった。3連敗を止めたことにはなるが、勝ちを逃したドローというネガティブな印象が付きまとう。
「鹿島は勝ちしかいらないチーム。今日の試合で点を取ったりアシストしたり、連敗を止めたり、ということはありましたけど、全然納得もしていない。でも、くよくよしていてもすぐ試合は来るし、中断期間でもう一度、自分たちを見つめ直す時間はあると思います。優勝したときも苦しい時間はあったので、また全員でやりたい」
苦しみから抜け出す方法は知っている。それが鹿島の強さの源になる。
