またもや、16歳の新星が輝いた。8月22日の明治安田J1リーグ第3節、横浜F・マリノスがヴィッセル神戸を1-0で破った一戦で、決勝点を決めたのは三井寺眞だ。鮮やかなボレーでたたき込み、またも驚かせてみせた。

上写真=三井寺眞が決めた鮮やかなゴールが、横浜FMに連勝をもたらした(写真◎J.LEAGUE)

■2026年8月22日 明治安田J1第3節(観衆36,601人@日産ス)
横浜FM 1-0 神戸
得点:(横)三井寺眞

敵将も「美しいゴールだった」

 三井寺眞は「ボレーはあんまり得意じゃないんですよ」とうそぶいた。あんなにパーフェクトな左足ボレーを突き刺しておいて?

 9分、知念慶とのワンツーで中央を割った天野純が左へふわりとボールを上げた。相手にヘッドで触られたが、裏に落ちる。そこに潜り込んでいたのが、この16歳の新星だ。自慢の左足を巧みに操って、右に倒れながらもきれいにミートして逆サイドにずばりと蹴り込んだ。

「右サイドの選手たちがうまく崩してくれて、自分のところにいいボールが来たので、あとは合わせるだけでした」

 合わせるにしても、相手のヘッドで軌道が変わったから、簡単ではなかったはずだ。それでも「ワンタッチで打ったほうが早いかなと思ったので」と選択に迷いはなかった。

「自分が入った場所より外側にボールが落ちてきたので、体勢が崩れましたけど、うまく合わせられてよかったです」

 瞬時にボールの変化に対応した身体操作はお見事。そう言って優しく笑う表情は、16歳のにこやかさだった。

 若さに似合わず、とステレオタイプに表現するのは危険だが、これはプロの戦いの場で、だからプレーは十分に大人びていた。例えば、修正力。

「前節のエスパルス戦でも1本、ボレーシュートの場面があって(決められず)、そういう決定機を決めきれるような選手になっていかないといけないと思っていて、今回は絶対に決めないといけないなと」

 過去の失敗がその瞬間、脳裏をよぎってもおかしくないが、逆に原動力にしてみせるハートは強い。

 ほかにも、覚悟。

 48分に横浜FMの右CKが弾かれてから始まったカウンターで、ジェアン・パトリッキにドリブルで前に出られたところで背中のユニフォームを両手でつかんで無理やりストップ。いわゆるプロフェッショナルファウル。

「相手の選手の前にボールが転がっちゃって、自分としてもファウルででも止めないと失点につながってしまうかと思って。(その切り替えは)チームとしても統一してる部分なので」

 初めてのイエローカードを提示されたが、勝利のためにチームの一員としてなすべきことをなす度胸も備えている。

 開幕戦で決めた鮮烈な先制ゴールは、最後に鹿島アントラーズに逆転されて勝利に結び付かなかったが、今回は勝ち点3に直結させた。そして、ホームである日産スタジアムでの初お目見えで決めたゴールでもあって、お立ち台から見る景色もひとしおだ。

「ファン・サポーターの皆さんが求めているのは勝ちだと思うので、今後も勝ち続けて皆さんのああいう笑顔を見られればいいなって思ってます」

 敵将のミヒャエル・スキッベ監督も「美しいゴールだった」と認める活躍。それでもやはり、「もっともっとできた」が実感だという。

「相手のディフェンダーはJリーグでナンバーワンクラスの選手たちで、マッチアップできたのはすごくいい経験になりました。その中で自分に何ができるかが、今日は試されると思っていました。得点以外の部分で、フリーになる場面が多かったので、仕掛けることはもっともっとできたと思います」

 健全な反省は清々しく、いずれにしろ、3戦2発は目覚ましい活躍だ。スティーブ・コリカ監督が年齢など気にせずにフラットに実力で判断して起用し続け、周りの「先輩」たちがその成長を後押ししてくれている。それがチームの一体感をもたらすスイッチになってもいるだろう。

「先輩方、特に喜田(拓也)さんが、まだまだこれからだから、と試合が終わるたびに声をかけてくれるんです。すごくありがたいですし、練習でも他の先輩が自分に厳しく求めてくれるおかげで、すごく成長できる環境にいると思えます」

 だから、決勝点を導く絶妙のクロスを送った天野は、三井寺のフィニッシュの素晴らしさについて問われても、すました顔でこう言って笑わせたのだ。

「普通ですよ、普通。あんまり調子に乗せないようにしないとね!」


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