8月7日にいよいよ2026/27シーズンのJリーグが開幕する。MUFGスタジアム(国立競技場)で行われる横浜F・マリノスとの開幕戦を前に、鹿島アントラーズの鬼木達監督は、リーグを代表するクラブとしての使命感と勝利への強い決意を語った。

上写真=新シーズンのスタートに向けて熱い思いを語った鬼木達監督(写真◎Getty Images)

シーズン移行、W杯直後…「見ている人に伝わるものを」

 Jリーグは1993年の開幕以来続いた「春秋制」から、欧州主要リーグと同じ「秋春制」へ移行し、20チームによるJ1は8月7日に開幕する。MUFGスタジアム(国立競技場)での開幕カードに選ばれた鹿島アントラーズを率いる鬼木達監督は、「38分の1とは思っていない」と、特別な一戦に向けて強い思いを抱いている。

「こういうタイミングでプレーできる選手は幸せだと思うし、その中で指揮を執れる自分も幸せだと思っています。だからこそ、いいものを見せたいし、開幕戦ですが、決勝戦のような思いで戦いたい。スポーツの力という意味では、震災もありました。そこにつなげていいのか分からないですが、でもそういう思いもやっぱり僕らにはあるので、見ている人に何か伝わるものがあればいいなと思っています」

 開幕に向けた取材対応で鬼木監督が繰り返すのが、「ワールドカップ後」という言葉だ。今年は4年に1度のワールドカップが開催され、大きな盛り上がりを見せた。大会後、国内最初の公式戦となる横浜F・マリノスとの開幕戦はチケットが完売。また24年ぶりにゴールデンタイムの地上波全国生中継が行なわれる。サッカーというスポーツに改めて注目が集まる今、鬼木監督が選手たちに求めるものがある。

「やっぱりワールドカップ後とか、新シーズンが始まるとか、そういうものにしっかりとこだわっていきたいと思います。また地上波もあったり、ここでどれだけ多くの人を惹きつけられるかは、自分たちの姿勢にかかっていると思う。もしかしたら勝利以上に魅力あるもの、どれだけ苦しくてもそういう姿勢を見せたいと思っていますし、選手にも話しています」

 Jリーグ全体を盛り上げたいという思いを抱く一方で、「やっぱりスタートダッシュは大事」と勝利へのこだわりは変わらない。チーム始動日には、百年構想リーグのプレーオフラウンド第1戦・神戸戦で喫した5失点の映像をあえて選手たちに見せた。リーグ連覇を目指す上で、あの敗戦を教訓にする狙いがあった。

「あの5失点でタイトルを逃しているので、そこには自分自身もそうだし、選手も目を向けてほしい。特に連覇を狙うという意味では、いろんなチームが打倒鹿島でやってくる中で、最終的には内容よりも結果だと。最後の最後まで勝利に向かえるか、その意識を持てるかだと思う。なので、一番忘れてほしくない苦い思い出から。たぶん気分が良くない選手もいたかもしれないですけどね」

 今季はキャンプ中にMF荒木遼太郎、DF濃野公人が海外クラブへ移籍し、DF安西幸輝とMF樋口雄太が負傷するアクシデントもあった。「想定内もあれば、想定外もやっぱり起きているのは事実」と認めながらも、百戦錬磨の指揮官に焦りの色は一切見えない。

「自分では想像しなかったことを想像しなきゃいけないという意味では、ワクワク感もあれば、チーム自体にもう一つ違うエネルギーが出てくる。それも競争につながるので、いろんなエネルギーが出てきているのは間違いないと思います」

 開幕前日に選手登録が間に合った新戦力、MFヤン・マテウスは果たしてメンバーに入るのか。プレシーズンで好調を維持する18歳、吉田湊海はスタメンに名を連ねるのか。開幕戦へ期待が高まる中、鬼木監督は「全部、楽しみにしてもらえれば」と笑みを浮かべた。


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