8月7日に開幕する2026/27明治安田J1リーグ。その開幕に向けて、7月5日にFC東京がおよそ400人のファン・サポーターが見つめる前で始動した。セルティックFC(スコットランド)から完全移籍で改めて加わった稲村隼翔には、覚悟がある。

上写真=稲村隼翔は完全移籍での加入を選び、「さらに責任を持って戦う」(写真◎サッカーマガジン)

「失点をもっと減らしたい」

 稲村隼翔が百年構想リーグでの期限付き移籍を経て、セルティック(スコットランド)から完全移籍で加わった。FC東京にとって大きな大きな「補強」である。

「FC東京ではユースには上がれず、トップにも入れず、という中でいろいろなチームに行きましたけど、このチームで必要とされているのはうれしいこと」

 改めて気が引き締まる。背番号も「17」から「4」に変わった。クラブから変更の打診があり、空いている番号から選んだという。

「好きな番号をつけることができてうれしいです」

 晴れて青赤の一員となり、背番号も新しくなった。ただ、「心機一転」というわけではなく、あくまで継続を大事にする。

「百年構想リーグで半年間、積み上げたものをまた次のシーズンで生かせるのはすごくポジティブなことですよね」

 だからこそ、クラブも稲村の獲得を最重要課題と位置づけてきた。それに応える準備はできている。

「百年構想リーグでも責任を持ってやってたつもりですし、より一層の責任を持つことで自分の成長にもつながるので、チームの優勝を目指しながら自分の成長もしていきたい」

 強い責任感がにじむのは、百年構想リーグの全20試合で喫した21失点に危機感を覚えるから。20チームのうち2番目に少ない好成績なのだが、1試合1点以上はゴールを許している事実は、センターバックにとっては許しがたい。

「攻撃のプレーにフォーカスされがちですけど、守備のところでもっと詰めて失点を減らしていきたいのは去年の振り返りとしてあるので、そこは自分が担っていかないといけない」

 ビルドアップの局面で左足から繰り出す長短のパスでスタンドを沸かせてきたが、本職は守備。そこを忘れるつもりはない。

 このオフ、盛り上がっているワールドカップを注視してきた。FC東京のチームメートである長友佑都、セルティックで面倒を見てくれた前田大然が戦った日本の勇姿を目に焼き付けた。

「自分から言うのはおこがましいですけど、素晴らしい選手たちだと改めて感じました」

 プロフットボーラーである以上、4年後にその舞台を目指す気概がなければ生き残れない。

「ずっとリスペクトを持って見ていました。でも、ブラジルに負けたあと、やっぱりあの舞台にいたかったという思いがありました。一方で、まだ遠いという思いもあって、この4年間、また積み上げて、もっと成長速度を上げていかないと追いつかない」

 ヨーロッパでの挑戦をひとまず切り上げて日本に戻ってきたことの覚悟も、今回の完全移籍には含まれている。

「本当にその通りで、セルティックに行ったときにも話しましたが、自分の選んだ道を正解にしていけるように、ここからリスタートじゃないですけど、もう1回、上を目指して頑張りたい」

 自分とチームが新シーズンへ、4年後へ向けて強く大きくなるために、猛然とスタートダッシュを切る準備はできている。


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