5月17日の明治安田J1百年構想リーグ第17節で、鹿島アントラーズがジェフユナイテッド千葉を2-0で下してEAST1位を決めた。先制ゴールは荒木遼太郎。昨季、復帰してからやっと決めた初ゴールは「いずれ決まるだろうと思っていた」と冷静だった。

上写真=荒木遼太郎の復帰後初ゴールが決勝点になった(写真◎J.LEAGUE)

■2026年5月17日 J1百年構想リーグ第17節(観衆:17,754人@フクアリ)
千葉 0-2 鹿島
得点:(鹿)荒木遼太郎、師岡柊生

「プレゼントだよ」

 鬼木達監督も「やっと決めたな」と声をかけた待望のゴール。荒木遼太郎が鹿島アントラーズに戻ってきてから初めての歓喜は、この重要な一戦──勝ち点2以上でEAST首位が決まるゲーム──でもたらされた。

 本人は「素直にうれしいと思います」と話したものの、口調は静か。初ゴールを待ちわびる周囲の声に「ずっと言われていて、面倒くさいなって。あまり考えないようにしていました」と笑わせたが、2025年にFC東京から帰ってきてから足掛け2年、出場33試合目で決めた一発には「いずれ決まるだろうと思っていたので」と冷静だった。

 43分、ジェフユナイテッド千葉が最終ラインから組み立てる局面で、品田愛斗に入ったところに右から鈴木優磨が猛然と迫った。ボールがこぼれて荒木が中央で拾うと、右の鈴木に渡した。

「優磨くんに打ってもらうようなパスをしたんですけど」

 ところが、鈴木は打たなかった。「太郎ちゃんに決めさせてあげたかったから」だ。だからもう一度、荒木に届けた。

「返ってきてちょっとびっくりしたんですけど、その後は冷静に決められました」

 荒木は右に持ち出して腰をひねって逆サイドへシュート。相手に当たってゴール左に飛び込んだ。

「意外とゴール前で冷静に打てて、最後はちょっとラッキーな部分もあったんですけど、気持ちでねじ込んだような形で決まってよかった」

 鈴木からは熱い抱擁と「プレゼントだよ」という祝福の言葉をもらった。お礼の言葉は「あざす、って感じです」。

「やっぱりつながる」

「前からプレスをかけて引っ掛けて、ショートカウンターみたいな形は狙っていた」と振り返るこのシーンは、荒木がトップ下に入って鈴木は右サイドハーフでプレーしたからこそ、生まれたと言えるだろう。

 鬼木監督はどうして荒木を先発で起用し、鈴木を右に置いてでも荒木をトップ下でプレーさせたのか。

「中盤でここ数試合、キーマンとしていい動きをしていましたし、トレーニングの中でも太郎にボールが入ると違いを見せていました。点を取るかどうかは分からなかったですけどね。試合に出ているとき、出ていないときはありますけども、それでも意欲的に取り組んでいた。本当にいい表情でやり続けました。結果論かもしれないですけど、やっぱりそういうものにつながるのかなと思いましたし、非常にいい働きをしてくれました」

 生き生きとプレーする日々の「表情」が、好調のバロメーターになったのだ。

 そしてやはり、トップ下というポジションがそのセンスを生かすのに最適なのだろう。荒木自身は手応えを実感している。

「今シーズンは特にビルドアップの逃げ道になるような、低めのポジションでゲームを作るような形が多かった。本当はもっとゴール前に行きたかったんですけど、今日はトップ下になったので、ゴール前に入っていきながらという形でした」

「トップ下は本当にやりやすいですし、ゴールに関わっていくチャンスが増えるので、やっぱりトップ下が楽しいなと思います」

 ただ、千葉が61分に退場者を出して数的優位になったにもかかわらず、追加点が生まれたのは荒木が交代したあとの88分。なかなかチャンスを作れなかった事実を受け止める。

「もうちょっと前進させたりできればよかったと思いました。今日は少しそういった課題も残るかなと思います」

 首位を決定したあとでも、鬼木監督も選手たちも口々に「内容は良くなかった」と表情は硬い。それでも勝つところが鹿島らしさなのだが、新しい鹿島を構築しようとする鬼木監督は「もう少しボールを動かしたかったんだけど」と納得はしていない。

 そのためにも、「トップ下・荒木」が果たすべき役割は、もっともっと増えていくだろう。


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