勝ち点5差で4位につけていたヴィッセル神戸は17日、J1首位の鹿島アントラーズとホームで対戦。前半からペースを握ったが、試合はスコアレスドローに終わった。キャプテンマークを巻くCBの山川哲史は悔しさをにじませながらも、次戦に向けて集中したいと語った。

上写真=鹿島をシャットアウトした神戸守備陣。CB山川哲史はその中心として無失点に貢献した(写真◎J.LEAGUE)

全部を取りに行くには全員の力が必要

 神戸は序盤から攻めに攻めた。激しいボール奪取から前進し、鹿島ゴールに迫っていく。鋭いショートカウンターを連発し、チャンスを生み出した。

 しかし、ネットを揺らすことが出来ず、結局、首位チームとの勝ち点差は5のまま。リーグ3連覇という目標に向けて痛い引き分けになった。

「特に前半は自分たちがやりたいことをやれたと思いますし、奪ってカウンターっていうところでかなりチャンスに作れてたんで、そこに至るまではポジティブかなと思います」

 敵陣でプレーした時間も長く、14本ものコーナーキックを奪った。だが、最後までゴールは遠かった。

「あれだけセットプレーがあった中で、まずファーストヒットできることが少なかったっていうのはチームとしての反省点です。自分たちが用意していたプランもあったんですけど、やっぱり最後の個の質のところ。そこは鹿島さんがかなり守備で体を張っていたというのもありました」

 そのあと一歩の勝負をものにしたのが昨シーズンだった。王者として警戒される中でも勝ち点を積み上げて連覇を達成。今シーズンも終盤に勝ち点を積み、今回の相手である鹿島が2009年に達成した以来の3連覇を成し遂げるつもりで戦っている。しかし、首位チームと差を埋めるチャンスを逃してしまった。

「後ろから見ていて思ったのは、今日はクロスの数もかなり多かったと思うんですけど、やっぱりいてほしくないところにディフェンスがいるというか、ヘディングで跳ね返されるシーンが多かった。もちろんクロスの質もありますけど、相手のディフェンスのクオリティーというのは間違いなく高かったと思います」

 これでJ1は残り4試合になった。可能性はあるものの、他力の要素が強まり、3連覇は難しくなったと言わざるを得ない。それでも、山川は言う。

「次は韓国で(ACLEの)試合がありますし(22日/江原戦)、ずっと言っていますけど、全部を取りに行くためには全員の力が必要なので、今日出ていなかった選手やベンチ外の選手が力になっていかないとリーグもACLEも天皇杯も取れない。そういった意味ではチーム力を上げるチャンスだと思う。今日は悔しかったですが、その気持ちをチームとしてぶつけていきたいと思います」

 ACLEとの連戦が、神戸の戦いをより難しくさせているのは事実だろう。しかし、キャプテンは前を向いた。

「終わったことは変わらない。次の試合にしっかりフォーカスしたい」

 J1の次節は、26日日曜日。韓国から帰国し、中3日で新潟とのアウェーゲームに臨む。


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