サンフレッチェ広島DFキム・ジュソンが、10月4日の明治安田J1リーグ第33節・FC町田ゼルビア戦で来日初得点を決めた。0-1で迎えた88分にヘッドで同点ゴールをたたき込み、2-1の逆転勝利につながる貴重な働き。今季途中に加入した韓国代表DFが日本で第一歩を踏み出したが、ユニフォームを脱いで警告を受け、試合後に反省する一幕もあった。

上写真=加入後初得点が貴重な同点ゴールとなったキム・ジュソンが、メインスタンドに向けてハートマークのパフォーマンス。ユニフォームを脱いでおり、このあと警告を受けた(写真◎J.LEAGUE)

■2025年10月4日 J1リーグ第33節(@Eピース:観衆25,877人)
広島 2-1 町田
 得点:(広)キム・ジュソン、トルガイ・アルスラン
    (町)相馬勇紀

母国からの声援に感謝

 まさに起死回生の一撃だった。後半の失点を挽回できないまま0-1で迎えた88分、広島は右CKを獲得。MF菅大輝のファーサイドへのキックをキム・ジュソンがヘッドで合わせ、土壇場で同点とした。

 試合後に「本当に鋭くて良いボールが来て、トルガイ(・アルスラン)選手もうまくブロックしてくれたので、自分は合わせるだけでした。それが運良く入ったので、すごくうれしい」という来日初得点。広島は90+5分に勝ち越し点を奪い、2-1の逆転勝利で町田との上位対決を制した。

 得点後は喜びを爆発させてユニフォームを脱ぎ、バックスタンドに向けて掲げて背番号37をアピール。メインスタンドには両手でハートマークを作りながら自陣へと戻ったが、再開のキックオフ前に警告を受けた。「重要なゴールを決めて興奮してしまい、サポーターの皆さんに37番を見せたかったので、ユニフォームを脱いでしまった」と語り、ミヒャエル・スキッベ監督からは「笑いながらですが『もうカードをもらうなよ』と言われたので、今後は落ち着いてセレモニーをしたい」と笑った。

 FCソウル(韓国)からの完全移籍で7月末に加入し、当初は控えだったが、徐々に実力を発揮して先発に定着しつつある。クラブのSNSにはハングルのメッセージが多く届くようになり、この日も初得点を祝福する投稿が数多く見られた。

 チームの危機を救った韓国代表DFは「韓国から応援してくださっている方もいますし、試合後にスタジアムを歩いているときも、韓国から来てくれている方が見受けられたので、本当にうれしい」と母国からの声援に感謝。その上で「広島でサッカーを学び、熱狂的に応援してくださるおかげで、キム・ジュソンという選手がいることを感じている。これからも最善を尽くして頑張っていきたい」と決意を新たにしていた。

取材◎石倉利英 写真◎J.LEAGUE


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