明治安田J1リーグで首位だったFC町田ゼルビアは、4月10日の浦和レッズ戦に0-2で敗れてその座を明け渡した。再三に渡って左サイドから突破した相馬勇紀のドリブルこそ光明だが、ゴールは生まれず。当の本人には後悔が襲った。

上写真=相馬勇紀は何度も左サイドからドリブルで仕掛けたが…(写真◎J.LEAGUE)

■2025年4月13日 J1第10節(観衆:44,363人@国立競技場)
町田 0-2 浦和
得点:(浦)マリウス・ホイブラーテン、松尾佑介

「決められるボールではなかった」

 徹底的に対策された。それでも何度も突破した。FC町田ゼルビアの攻撃のほとんどは、相馬勇紀が左サイドから単独突破で生み出したものだった。

 だが、ゴールには結び付かなかった。浦和の右サイドバックの石原広数にハードに守られ、ボランチの安居海渡が挟み込みに来ていて、あるいは金子拓郎がプレスバックして足元に絡みついてきた。対策を施されていた。

「僕のところには2枚来ていて、そこでずれたところ、動いたところを狙ってたんですけど、あんまり動きもなかったし、たまに(連係が)切れたときも通せませんでした。2枚来てもクロスは上げることはできたし、そこまでボールも悪くなかったとも思うんですけど、決められるボールではなかった。その精度はもっともっと個人的に上げていって、合わせたい」

 3-4-2-1の布陣が安定している町田は、攻撃で左右の基本的なメカニズムが異なっていた。左サイドはシャドーの相馬が幅を取ってドリブルで果敢に仕掛け、ウイングバックの中山雄太が内側に立ってサポートに入ることが多い。右はシャドーの西村拓真が1トップのオ・セフンに近いところに控えて2トップ気味になり、外のレーンは林幸多郎の攻め上がりで利用する形だった。

 だが、特に前半は左に偏る攻撃ばかりで、相馬の突破頼みになった。

「強いて言うなら、僕が受ける位置がいつもより低かったので、そうなると、もう1回ワンツーで入っていけるならいいんですけど、今日は雄太が入ったところに金子選手から安居選手に受け渡しがちゃんとできていて、あまり崩せると思うシーンがなかったかなと思います」

 相馬の突破とオ・セフンの高さ、西村のフィニッシュワークは今年のチームの最大のストロングポイントだ。ゴール前に効果的にボールを送り届けるためにも、その一つ手前のチャンスメークの場面で、中山と立ち位置を入れ替えるタイミングやテンポに向上の余地があることを、強く意識させられるゲームになった。

「自分で言うのもなんですけど、攻撃の核は担っていると思うので、次からは対策された中でも、あまり外に行かないで内側を取ってやったほうがいいのかなと」

 外からの突破は間違いなく相手には脅威で、だからこそ2人を引きつけることができた。その一方で、ほかの選択肢を準備できなかった悔恨もある。外も中も、が当面の最適解になるのだろう。


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