明治安田J1リーグ第2節で2月22日にFC東京がホーム開幕戦。同じ東京を本拠地にするFC町田ゼルビアを迎えた。試合は大きな動きの少ない展開のまま進んだが、82分に町田の西村拓真が移籍後初ゴールを決めて、これが決勝点。1-0でアウェーチームが逃げ切った。
上写真=長友佑都と争う西村拓真。値千金の移籍後初ゴールを決めた(写真◎Getty Images)
■2025年2月22日 J1第2節(観衆29,545人/@味スタ)
FC東京 0-1 町田
得点:(町)西村拓真

「組織力が再構築される」
前半はお互いに静か。FC東京は開幕戦で採用した3バックでこの試合も臨んだが、ビルドアップに変化を加え、土肥幹太が右サイドに開いて前に出てパスの出口を増やすことで、ウイングバックの白井康介をより攻撃で生かした。
町田はそれぞれのプレーエリアでボールを絡め取りつつ、安定してFC東京の攻撃を止め続けた。攻撃では左ウイングバックの相馬勇紀のカットインからのクロスや配球に活路を見出す流れだった。
ただ、いずれも明確なチャンスと呼べそうなシーンは数えるほどで、FC東京が10分に相手から奪った俵積田晃太が迫り、直後のCKで森重真人のヘディングシュートをバーにぶつけたぐらい。町田はアディショナルタイムにオ・セフンのダイレクトボレー、望月ヘンリー海輝の飛び込みで狙ったが、いずれも実らなかった。
町田は後半が始まってわずか6分で、オ・セフンに代えて藤尾翔太を投入。相手との小競り合いで前半に警告を受けていて、その後もやや感情的にもなっていただけに、退場のリスクを避けつつ西村拓真を最前線に据えつつ藤尾と相馬のシャドーで攻撃の整理を図った。
これが後に勝負を決することになる。
FC東京も俵積田を左ワイドに立たせて得意のドリブルを狙わせ、64分には安斎颯馬と佐藤恵允を投入して攻撃に刺激を与えようとした。特に最前線で体を張っていたマルセロ・ヒアンから俊足の佐藤への交代によってそのスピードを生かしたいところだったが、なかなかそこまでボールを運べなかった。
勝負が決まるのは一瞬だった。82分、町田が左サイドで回収してつなぎ、縦パスを受けた中山雄太がターンしてそのまま低いボールを中へ、DF2人の間から飛び出した西村が右足を伸ばしてゴール右に送り込む決勝ゴールを決めてみせた。
これで町田は今季初勝利。黒田剛監督は「多少ずれたものをきちっと軌道修正させていくという組織力が再構築される」前節の逆転負けからのリカバーに納得の表情だ。一方のFC東京はホーム開幕戦を勝利で飾ることができなかった。松橋力蔵監督は「結果は非常に残念。さまざまなトライとエラーもあった試合だった」とした上で「次につながる、ではなく、つなげなければいけない」と神妙に語った。