17日、明治安田J1リーグ第27節が行われた。ともに降格圏に沈む20位の札幌と19位の鳥栖の一戦は6ポイントマッチとも称されたが、前半に3点、後半に2点を記録した札幌が粘る鳥栖を振り切り、勝利。今季4勝目を挙げた。

上写真=2ゴールをスコアし、勝利に貢献した札幌の駒井善成(写真◎J.LEAGUE)

■2024年8月17日 J1第27節(観衆18,051人@プレド)
札幌 5−3 鳥栖
得点:(札)スパチョーク、駒井善成2、オウンゴール、アマドゥ・バカヨコ
  (鳥)福田晃斗、久保藤次郎、堺屋佳介

アクシデントから始まり最後までスリリングな試合に

 両チームともにアクシデントに見舞われるところから試合はスタートした。札幌は先発予定だった浅野雄也が直前にスパチョークに交代。そして鳥栖は開始6分に足を負傷したマルセロ・ヒアンが富樫に代わった。

 早々にプラン変更を余儀なくされたが、前半の札幌はその影響を受けることなく、ポジティブな戦いをみせる。浅野に代わって急きょ先発したスパチョークは17節(6月2日)以来の出場ながらいきなり躍動した。

 10分、敵陣右サイドで得たFKの場面。青木が入れたボールのこぼれ球に反応すると、ボックス外からシュートをねじ込み、欲しかった先制点をもたらした。

 その1分後。鳥栖のGK朴一圭のパスが乱れところにスパチョークが反応し、馬場が回収してボックス左に走り込んだスパチョークへ縦パスをつける。ゴール前の状況を瞬時に確認してクロスを供給。飛び込んだ駒井が頭を合わせて札幌がいきなり2点のリードを奪った。

 さらに、である。16分、三たびスパチョークがゴールに絡む。敵陣左でボールを持つと、ボックス内へ走り込む鈴木へ浮き球パスを送る。相手DFに先に触られたが、こぼれたところに駒井が走り込んで右足ボレー。札幌があっという間に3−0とした。

 対照的だったのは鳥栖で、得点源のヒアンの不在が大きく響いた。ロングパスに反応した富樫がDF岡村と競り合ってゴールに迫る場面もあったものの、前半は決定機がほとんどなく、苦しい戦いを強いられた。

 ところが、後半は形勢が逆転する。鳥栖が攻勢に出た。57分にボックス右に進入した中原のクロスを福田がファーサイドで蹴り込み、1点を返すと、60分には後半から日野に代わって登場した久保が移籍後初ゴールを記録。札幌の右アウトサイド、近藤のヘディングよるバックパスを久保がカットし、そこから富樫、福田、堺屋とつないで、最後はマイナスの折り返しを久保が右足シュート。鳥栖が連続ゴールで1点差に詰め寄った。

 3−0から追いつかれた10節の湘南戦の例を挙げるまでもなく、今季の札幌はリードを生かし切れない試合を重ねてきた。ゲーム終盤をいかに戦い抜くかがこの日も問われることになる。70分、右サイドから近藤が斜めに入れたクロスがオウンゴールとなり、札幌が4点目をスコア。しかし鳥栖も77分に夏の新加入選手、清武のパスから堺屋がヘッドを決めて1点差をキープする。

 アディショナルタイムも含めた残り15分間をいかに戦うのか。20位(最下位)の札幌と19位の鳥栖。ともに負けられない一戦は文字通り終盤まで激闘が繰り広げられた。

 そして89分。札幌が勝ち点3を引き寄せるゴールを決める。近藤が右サイドから仕掛けてボックス内で相手のファウルを誘う。堺屋に倒されてPKを獲得すると、新加入のバカヨコが移籍後初ゴールを冷静に決めて札幌が2点差をつけた。

 試合はそのまま5−3で終了。試合前にペトロヴィッチ監督が「今シーズン、最も重要な試合」と称した一戦に勝ちきった。19位の鳥栖ともまだ5ポイントの差はあるが、札幌は熱く激しい試合を制し、今季4勝目をあげた。


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