7日、明治安田J1リーグ第25節が各地で行われた。横浜・日産スタジアムでは11位の横浜F・マリノスと最下位(20位)の北海道コンサドーレ札幌が対戦。試合は横浜FMが粘る札幌を3−2で振り切り、リーグ再開となる試合で勝利を飾った。

上写真=決勝点となるチームの3点目をスコアしたA・ロペス(右/写真◎J.LEAGUE)

■2024年8月7日 J1第25節(観衆18,574人/@日産ス)
横浜FM 3−2 札幌
得点:(横)エウベル、ヤン・マテウス、アンデルソン・ロペス
   (札)浅野雄也、菅大輝

効果的だった横浜FMの裏狙い

 先制点は4分。横浜FMのGKによるスローインからだった。ボールをキャッチしたポープ・ウィリアムが素早く中盤中央にスロー。エウベルが駒井を剥がして持ち運び、右サイドを走るヤン・マテウスへ展開。背走する札幌守備陣を視野にとらえたヤン・マテウスがマイナスに折り返し、タイミングよく走り込んだエウベルがシュート。サイドを破って相手最終ラインを押し下げ、空いたスペースにマイナスのクロスを供給。そこにきっちり走り込んで決めるという、教科書通りにプレーを重ねて、横浜FMが先制した。

 スタートから横浜FMのスピードと仕掛けが、札幌を上回った。ゴールにつながったエウベルの「運び」は、マーカーを剥がせば、一気にボールを運べるマンマーク守備の弱点を突いたもの。過去に何度か札幌の徹底マークに苦しんだ経験を持つ横浜FMの狙いは明らかで、個の力、あるいはコンビネーションで剥がして一気に運ぶプレーをその後も試みた。

 しかし戦列を離れていた主力が続々復帰している札幌も、時間の経過とともに本来のパスワークとコンビネーションをピッチに描き始める。すると11分、同点ゴールを記録した。敵陣左サイドで得たスローインの流れから、大崎、左のポケットに走り込んだ中村とパスが繋がり、最後はクロスに飛び込んだ浅野がシュート。しっかりミートできなかったが、ボールはゴールに吸い込まれ、1−1の振り出しに戻した。

 横浜FMはマークを剥がして裏を突く。札幌は複数人が絡んで守備網を突破し、ボールを運ぶ。互いが持ち味をぶつけ合うそんな時間を経て、31分に横浜FMに勝ち越しゴールが生まれた。松原のスルーパスをボックス右で受けたヤン・マテウスが左足でシュート。GK菅野が反応するも及ばず、横浜FMが再びリードを奪った。

 前半の終盤には激しかった雨も上がり、迎えた後半。スタートからしばらくは左右にボールを動かして札幌の守備を広げ、タイミングを見計らって縦を突く横浜FMが押し気味に試合を進めていった。

 札幌も持たせて奪ってからのカウンターを狙っていたが、51分には先制点と同じような展開から横浜FMがネットを揺らす。GKのつなぎから渡辺がスルーパスを通し、札幌の左CBの中村の背後を取ったヤン・マテウスが独走。折り返しをアンデルソン・ロペスが中央でプッシュ。GKから中盤で上回り、クロス、シュートという流れでまたもゴールを重ねた。

 この1点で一気に横浜FMペースになるかとも思われたが、札幌も粘りを見せる。中村の前線へのフィードを鈴木が収め、カットインから右足を振り抜く。前節2ゴールを記録したストライカーの強引なプレーがゴールを呼び込むことになった。シュートはDFに当たったが、こぼれ球に菅が反応。頭で押し込み、札幌が1点差に詰め寄った(58分)。

 終盤にかけて互いに選手を交代させながら横浜FMはダメ押しゴールを、札幌は同点ゴールを狙ったが、結局スコアは動かず。横浜FMが約2週間あまりの中断期間を経て再開した『リスタート』の試合をものにした。

▼出場メンバー
・横浜FM◎GKポープ・ウィリアム、DF松原健、上島拓巳、エドゥアルド、加藤聖(70分:加藤蓮)、MF渡辺皓太(79分:天野純)、喜田拓也、西村拓真(55分:植中朝日)、FWヤン・マテウス(79分:井上健太)、アンデルソン・ロペス、エウベル(70分:宮市亮)

・札幌◎GK菅野孝憲、DF馬場晴也(68分:田中克幸)、岡村大八、中村桐耶(61分:パク・ミンギュ)、MF近藤友喜、大﨑玲央(61分:宮澤裕樹)、駒井善成(61分:長谷川竜也)、菅大輝、浅野雄也(83分:白井陽斗)、青木亮太、FW鈴木武蔵


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