上写真=佐々木翔が充実の笑顔。貴重な決勝ゴールを挙げ、クリーンシートにも貢献した(写真◎J.LEAGUE)
■2024年8月7日 J1リーグ第25節(@味スタ/観衆11,243人)
東京V 0-1 広島
得点:(広)佐々木翔
20時50分に前半20分30秒から再開
キックオフ前から遠くに雷が光る状況で、21分には猛烈な雷雨で中断。1時間半近くあとに再開するという、選手にはメンタル的にもフィジカル的にも難しいゲームになった。
21時には鳴り物応援も禁止となり、スタンドからは拍手と声が響く中、再開後にリズムをつかんだのは東京ヴェルディ。見木友哉、齋藤功佑、山見大登とたびたびフィニッシュに結びつけていく。
その東京Vは攻撃にかかるときには4-4-2のフォーメーションで臨みつつ、サンフレッチェ広島の攻撃に対応すると5バックに変更。この日が期限付き移籍してきて初めての公式戦となる松村優太が右サイドハーフから最終ライン右に加わり、広島のウイングバック、インサイドハーフ、センターフォワードの5人と1対1の関係を作ってフタをする。
これで広島は、ボールは持てるものの崩しきれない状況に持ち込まれた。
後半に入ると、広島が高い位置でボールへのチャレンジのスピードを上げていって、ショートカウンターで崩しを狙う。東京Vはこのパワーに気圧されたものの、徐々に慣れると66分に染野唯月、67分に松村が鋭く狙っていく。しかし、立ちはだかったのがGK大迫敬介。染野のシュートには前に出てコースを消してブロックし、松村の強烈なミドルには両手でパンチして弾いた。
すると78分、待望のゴールを生んだのは広島の方だった。右からの中島洋太朗のCKがニアでこぼれたところを、佐々木翔が右足で思い切り蹴り込んで、ついに均衡を破った。
ここから立て続けに5人を交代させた東京Vはなんとかゴールに迫ろうとするが、もともと堅守に定評のある広島が守りに入ると頑丈さが増す。このまま1-0で逃げ切りに成功したアウェーチームが、4位に浮上した。
勝ったミヒャエル・スキッベ監督は「佐々木翔が足で決めたのを初めて見ました。いつもは頭だから」と笑わせたが、「堅い試合だった、というか、どちらもいいところを出せないような試合だった」と難しい試合だったことを認めた。