4月7日の明治安田J1リーグ第7節。FC町田ゼルビアが川崎フロンターレを1-0で下して、首位を堅持した。前節の敗戦からのリカバーに成功したJ1初年度のチームで、センターハーフのコンビが重要な役割を果たしている。仙頭啓矢と柴戸海である。

上写真=初めてのJ1で首位を走る町田。センターハーフの2人が引き締める(写真◎J.LEAGUE)

■2024年4月7日 J1リーグ第7節(@U等々力/観衆22,008人)
川崎F 0-1 町田
得点:(町)藤尾翔太

2つのラインをつなげる2人

 首位の風格とは、このようにして一つずつ身につけていくものなのだろうか。4月7日、FC町田ゼルビアが川崎フロンターレを1-0で下して、順位表のトップを堅持した。

 攻撃自慢の川崎Fを相手に前半のうちに先制し、71分にGK谷晃生が退場になったことで逆に、集中力と強度がより研ぎ澄まされたかのようだった。こうしてゴールは許さずに4試合ぶりのクリーンシート。1点を守り抜いた、というよりは、最後まで攻め筋も見失わずに1-0で勝ち切った、と表現したほうがふさわしい。

 4日前のサンフレッチェ広島戦では1-2で敗れて今季初黒星。連敗は避けなければならないゲームだった。広島に後手を踏んだ反省をまず体で表現したのは、柴戸海だっただろう。9分、中盤で山本悠樹に入った縦パスを鋭い出足で引っ掛けて前へ、抜け出した藤尾翔太がGKチョン・ソンリョンと1対1になるビッグチャンスを導いた。

 これはゴールにはならなかったが、32分にスコアを動かしたのは、連動したアクションで速さと確実さを見事に融合させた崩しによるゴールだった。その中心にいたのは仙頭啓矢だ。

 チャン・ミンギュのパスが左サイドの林幸太郎に渡ると、するりとボランチの脇のスペースに入って受けた。そしてそのまま左足で、川崎Fの右サイドバック、瀬川祐輔の外から巻いて背中側へとワンタッチパスを通した。内側から走り抜けた藤本一輝にぴたりと合う文句なしのスピードとコース。藤本もワンタッチで中に通すと、藤尾が中央で確実にプッシュした。

 縦に速い攻撃を迷いなく繰り出して、4バックと4トップのような立ち位置が相手の脅威になる町田にあって、柴戸と仙頭のセンターハーフがその2つのラインをていねいにつなげている。


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