上写真=開幕から先発を続け、左サイドからチームを支えているバングーナガンデ佳史扶(写真◎J.LEAGUE)
いつの時代も勝負強いチーム
――国立競技場で連戦を戦うことは珍しいですが、ここでは『THE国立DAY』の2日目にあたる、7日の鹿島アントラーズ戦について聞かせてください。
佳史扶 そもそも国立競技場はFC東京にとって縁起のいい場所だと思っていて、そこで試合ができるのはうれしいですね。
――今季の鹿島について、どんな印象を持っていますか。
佳史扶 川崎フロンターレ戦を見ましたが、変わらず勝負強さがあるチームだと思いました。ここぞというところで、点を奪いきってしまうイメージがあります。たとえば試合の流れが悪くても、1発で仕留めてしまう印象もあって、それは昔からの鹿島の特徴だと思っているんですが、そういう力がありますね。
ーー以前、幼い頃のJリーグを初めて見に行ったのはカシマスタジアムだったと聞きました。
佳史扶 お父さんが鹿島ファンだったので連れて行かれたんだと思います。相手がどこだったのかは覚えていないのですが、帰りに父が喜んでいた記憶があるので、きっと鹿島が勝ったんだろうと(笑)。まだ僕がFC東京のアカデミーに入る前の話です。
ーー今回はご自身が活躍してお父さんを喜ばせたいところでは?
佳史扶 そうですね。いまはしっかり応援してくれているので。鹿島は当時からそうなのかもしれませんが、勝者のメンタリティがあるチームで、今年もやはりそういう強さを感じます。
ーーポポヴィッチ監督はかつてFC東京の指揮を執っていたことがあります。
佳史扶 僕が幼い頃のFC東京の監督のイメージがあります。クラブの育成組織に入ってたので、自分にとってトップチームの監督というイメージが今でも強いですね。
ーー当時のプレースタイルとか、覚えていますか?
佳史扶 現在と当然、スタイルは変わっていると思いますけど、攻撃的なサッカーだったかなと。
ーー国立競技場でプレーするということについてはどうですか。しかも今回は2連戦です。
佳史扶 ホームなんですけど、普段とはやっぱり雰囲気が違います。何よりFC東京にとっては不敗という縁起のいいスタジアムですし、勝ったときの雰囲気が最高な場所です。
ーー2連戦の初戦、浦和戦(3日)ではアシストも決め、2−1の逆転勝利にも貢献しました。
佳史扶 タロウ(荒木遼太郎)がすごいゴールを決めてくれて、自分にアシストがついてうれしいです(笑)。日頃からクロスにみんなが入り込んでくれているんですが、相手がマイナスのスペースを空けたのが見えて、そこに入り込んできてくれた。そこでタロウに出したら決めてくれて、すごいなって感じです(笑)。
ーー5勝1分けで負けなし。本当に国立競技場で強い。
佳史扶 この記録を鹿島戦でも続けたいです。
ーー今シーズン、チームは開幕から3試合勝てず、苦しいスタートになりました。佳史扶選手はここまで全試合に左サイドバックとして先発していますが、その時期はどう感じていましたか。
佳史扶 確かに結果が出ない試合は続いていたんですけど、結果が出ない中でも、チームが良くなってきているという感覚はありました。すべてがマイナスではないなと。手応えが自分たちの中ではあって、それが4節の福岡戦ではまったというか。まだまだ修正点はありますが、キャンプから始まって、ずっと積み上げてきたことが間違いではないと確認できたという思いがあります。
ーー具体的にはどういうところでしょう。
佳史扶 今までFC東京になかったようなつなぎ方やベースとなるライン設定だったり、フォワードとのつながりのところだったり。全体の連動にしてもそうですが、今までのチームになかった形で崩して点を取るケースがキャンプからありました。サイドバックもどんどんゴールに絡んでいくこともそうですが、以前よりも攻撃のレパートリーは多くなっていると思います。クロスに対してゴール前に入っていく回数も確実に増えています。