1月14日、浦和レッズの2024シーズン新体制発表記者会見で、新加入選手たちがそれぞれに抱負を口にした。中でも「レッズ愛」をアピールしたのが、前田直輝と渡邊凌磨。初めて浦和のユニフォームに袖を通すことになったが、クラブへの思いなら松尾佑介も負けていなくて…。

上写真=新しく加わった選手、戻ってきた選手がチームの底上げを担う(写真◎サッカーマガジン)

浦和の男

 浦和レッズが2024年に新メンバーとして迎え入れるのは、実に11人。ノルウェー代表FWのオラ・ソルバッケン、スウェーデン代表MFのサミュエル・グスタフソン、2022年J1得点王のブラジル人ストライカー、チアゴ・サンタナが目を引く。

 西野努テクニカルダイレクターは説明する。

「昨年はもう一歩のところがたくさんありました。結果を残すチームとするために何が必要なのかを念頭に置いて、簡単に言えば攻撃力が足りなかった」

 そのために、大型補強に踏み切ったというわけだ。

 日本人の新メンバーを見ると、かねてから浦和レッズでプレーする情熱を隠さなかった2人の男が加わった。名古屋グランパスから加入したMF前田直輝、FC東京から活躍の場を移した渡邊凌磨である。前田はまさに地元の浦和出身。渡邊も埼玉県東松山市出身。どちらにとっても、浦和レッズは幼少期からの心のクラブなのだ。

「浦和出身で、小さい頃から本物の“浦和の男”たちを見てきたので、それに近づけるように精一杯頑張ります」「特別な思いがあるし、当時はエメルソンが大好きでした。浦和を身近に感じていたけれど、今度は自分が皆さんに認めてもらえるように頑張りたい」と前田が言えば、渡邊も「幼少期から見て育ってきて、ここでプレーしたい強い思いがかなったことはとてもうれしく思います」と続く。

 前田はオランダで、渡邊はドイツでプレーしたキャリアも似ていて、どちらも強気で歯に衣着せない力強いコメントでファン・サポーターを沸かせるのも魅力的。攻撃に強みを発揮するところも共通点だ。前田は左利き、渡邊は右利きだが、パスもシュートも突破も得意としていて、さまざまな役割をこなすことができる攻撃のマルチロールプレーヤーである。

 ペア・マティアス・ヘグモ新監督は4-3-3システムの採用を明言した。これまでのキャリアからすれば、2人とも左右のウイングやインサイドハーフでのプレーが期待されるだろう。

「右サイドの1対1には自信を持っています。負けたくないので、そこを長所として見ていただきたい。ライバルは全員ですが、与えられたポジション全力で毎日やります」

 左利きの前田は名古屋でも、ワイドで受けてカットインから自慢の左足で強烈なシュートを放つアクションが印象的だった。

「ポジションに関しては、僕もいろいろできる分、どこがいいのかというものはないですね。チームの勝利に貢献できることがすべてなので、どこでも全力で戦おうと思っています」

 渡邉は器用だから、FC東京ではアルベル前監督にはサイドバックとして起用されたこともあった。ただ、主戦場はやはり攻撃的なエリア。左右のウイングやインサイドハーフ、トップ下と前線ではどこにでも顔を出してプレーできる。右からのクロスを走り込みながら右胸で収めてそのまま右足のボレーで決めた2023年のJリーグ年間最優秀ゴールのように、アクロバティックなプレーもお手の物だ。

 ところで、忘れてはならないのが、もう一人の「浦和の男」。MF松尾佑介である。浦和のジュニアユース、ユースで育ち、プロでは横浜FCを経由して2022年に浦和に加わり、活躍して期限付き移籍でベルギーに渡っていた。浦和を愛し、ヨーロッパでの経験も携えているところは、前田や渡邉と同じ。そして、ゴールへの嗅覚に優れるスピードスターである。

 強気で独創的でクールな言葉で魅了するところも、前田や渡邉と同じ。

「それは、ピッチで見ることになると思います。僕からいま言えることはないですけど、ピッチに映る姿があるべき姿だと思うので、楽しみにしていてほしい」

 抱負を聞かれて、そう一言。バチバチのポジション争いが、浦和をワンランク上のクラブに押し上げるに違いない。

■その他の新加入選手
4 DF 石原広教
「17年間、湘南でプレーしましたが、浦和からオファーをいただいて断る理由がないと思って来ました。1日でも早くチームに馴染んで、偉大な先輩を脅かせるような存在になりたい」

20 DF 佐藤 瑶大
「センターバックとしてスタメンを取りたいですし、ベストイレブンに選ばれた2人のセンターバックがいますけど、僕がポジションを取りたいです。持っている力を最大限発揮して、タイトルを獲得できるように頑張っていきたい」

23 DF 井上黎生人
「勝負に関する貪欲さやスタメンを取るために覚悟を持って来ました。ベストイレブンに選ばれた2人のセンターバックにはなくて、僕が持っているシュートブロックやカバーでは負けないので、その特徴を出していければ」

35 MF 宇賀神友弥
「言葉だけではなく、背中で語れるプレーを見せたい。周りの選手を生かすのが良さなので、素晴らしい選手をうまくまとめることをピッチの上で表現できればと思います。引退するために帰ってきたわけではないので」

47 MF 武田英寿
「2年半、レンタル移籍していて、1シーズン通して試合に出ることを経験できました。水戸ではアシストなどの数字も残せたのでそこが一番です。武器は左足のキックやボール扱いなので、存分に出していければと思います」

39 MF 早川隼平
「去年1年、トップに帯同してエンブレムを背負って戦う幸せを感じました。先輩の姿をずっと見て練習してきたので、自分を最大限に出して貢献できるように頑張ります。2年目ですが、実質1年目だと思っているので、若手らしさフレッシュさ常に出していければ」

※11 MF サミュエル・グスタフソン、12 FW チアゴ・サンタナ、17 FW オラ・ソルバッケンは会見を欠席


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