12月3日、J1の最終節となる第34節が各地で行われた。目前に天皇杯決勝を控える川崎フロンターレはアウェーに乗り込んでサガン鳥栖と対戦。試合はともに決め手を欠いたまま進んで、87分にオウンゴールで先制した川崎Fがそのまま押し切った。

上写真=鳥栖に駆けつけたサポーターと勝利の喜びを分かち合う川崎Fの選手たち。6日後には天皇杯決勝に臨む(写真◎J.LEAGUE)

◾️2023年12月3日 明治安田生命J1リーグ第34節(@駅スタ/観衆13,302人)
鳥栖 0-1 川崎F
得点:(川)オウンゴール

画像: ◾️2023年12月3日 明治安田生命J1リーグ第34節(@駅スタ/観衆13,302人) 鳥栖 0-1 川崎F 得点:(川)オウンゴール

「これからも攻撃的に」

 J1最終戦の決着は、セットプレーからのオウンゴールだった。87分、川崎フロンターレは左CKを得ると、瀬古樹が中央へ。大南拓磨が回り込んでブラインドになったか、サガン鳥栖の日野翔太の頭に当たって逆サイドに飛び込み、これが決勝点になった。

 サッカーは攻撃と守備とが一体だが、快晴のスタジアムで行われたこの一戦は、比較的攻撃と守備を分けて見やすい展開になった。前半の最初はサガン鳥栖が、そのあとは川崎フロンターレが相手陣内でプレーする機会が多かった。

 鳥栖は最終ラインから両ウイング、右の長沼洋一、左の岩崎悠人に長いボールを送って押し込んでから、周囲がサポートしてペナルティーエリア付近に迫っていく。川崎Fは25分過ぎから右ワイドの宮代大聖と左ワイドの瀬川祐輔のポジションを入れ替えて、インサイドハーフの遠野大弥が積極的に裏のスペースにランを繰り返すことで、相手の嫌がる場所に潜り込むシーンが増えた。

 それでも、ビッグチャンスは生まれないまま、前半を0-0で静かに折り返した。

 後半もその流れのまま進み、どちらも攻撃的な選手を次々に交代で送り込むと活性化していく。鳥栖が西川潤、横山歩夢、樺山諒乃介、川崎Fが瀬古樹、山田新、家長昭博、バフェティンビ・ゴミスが勢いを持ってゴールに向かっていった。そして87分に生まれた、この日唯一のゴール。

「ラッキーなゴールだったかもしれないが、その前から圧力をかけ続けた結果。これからも攻撃的に戦って勝ち続けたい」

 鬼木達監督は幸運な決勝点に隠れた選手たちの献身性を称えた。公式戦3試合連続の無失点と我慢強さもしっかり根を張って、12月9日の天皇杯決勝へ視界も良好だ。

 一方で敗れた鳥栖の川井健太監督は、試合そのものについては悪くない評価を与えた。

「できたこともできないこともあって、今季ベストかは分からないですけれど、非常にいい試合でしたね。それを“最高の試合でした”というには結果が足りなかったと思います」

 そこにこだわることが、来季の大きなテーマになるだろう。

「まだ川崎さんには及ばないなと思います。ただ、追いつける感覚もあります。その感覚をしっかりと我々がピッチの上で結果として証明していきたいと強く思いました」

 3年目の指揮となる2024年シーズンへ、早くも気持ちを高ぶらせる今季ラストマッチになった。


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