上写真=山岸祐也(右)が11分に決めてこの笑顔!(写真◎J.LEAGUE)
■2023年9月3日 明治安田生命J1リーグ第26節(@味スタ/観衆16,068人)
FC東京 1-2 福岡
得点:(F)熊田直紀
(福)佐藤凌我、山岸祐也
「充実感のあるゲーム」
いきなりのラッシュで試合は始まった。
アビスパ福岡のキックオフで始まった試合は、どちらにもボールが収まらない不安定な状況から、右の裏を取った福岡が連続攻撃を仕掛けた。最後は左から前寛之がクロス、中央に突っ込んだ山岸祐也のヘッドには合わなかったが、その奥から走り込んできた佐藤凌我が右足を伸ばしてフライングボレーで押し込んだ。たったの2分で先制だ。
一気の先制ゴールで福岡が勢いを得たのと対照的に、FC東京は浮足立つ。組み立てのパスは乱れ、ボールホルダーへのサポートの人数は足りず、角度も作れずにボール回しにテンポが出ない。
それをあざ笑うかのように、またも福岡が決めてみせる。11分、左サイドのスローインで抜け出した紺野和也がゴールラインぎりぎりでマイナスに戻し、山岸が左足でダイレクトシュート。豪快に突き刺さって、あっという間にリードを2点に広げた。佐藤と山岸が、8月30日の天皇杯準々決勝、湘南ベルマーレ戦に続いてアベックゴールを決めてみせた。
FC東京のテンポはなかなか上がらないままだったが、60分にアダイウトンを投入すると、個の力で押し返す。63分には左サイドから超高速でゴールを目指して突き進み、中央のディエゴ・オリヴェイラに預けるなど、チャンスを作り始めた。
すかさず福岡の長谷部茂利監督は、69分に対面する前嶋洋太を湯澤聖人に代えてフレッシュさを補強、再びフタをしてきた。同時に投入した俊足のドリブラー鶴野怜樹を最前線に据えて、カウンターの爪を研ぐことも忘れなかった。
遅ればせながら、FC東京に歓喜が生まれたのは86分。左CKを原川力がファーに送ると、豪快に飛び込んできた熊田直紀がヘッドで押し込んで、J1初ゴールが追撃の一発になった。これで一気に空気が変わり、FC東京がゴールへ向かうパワーが増した。再三のCKでゴールを脅かすが、これ以上スコアは動かず。
「充実感のあるゲームでした」とは長谷部監督。
「新たな収穫は天皇杯(8月30日の準決勝)もそうですけれど、複数得点をすることができていること。いままではこれを長い間継続できていないので、続けたい。あとは、最後に失点しているので、ここは今後の無失点につなげていきたい」
J1とルヴァンカップの3連戦の第一幕は、最後の最後に守りきったアウェーチームが自信の勝利を手にすることになった。
逆にFC東京は厳しい内容と結果に終わることに。渡邊凌磨も「入りが悪かった。それがすべてを表している」と苦悩の表情だった。