上写真=渡辺皓太は劇的決勝ミドルを決めて、ゴール裏へダッシュ!(写真◎J.LEAGUE)
■2023年8月19日 明治安田生命J1リーグ第24節(@日産ス/観衆33,701人)
横浜FM 2-1 FC東京
得点:(横)永戸勝也、渡辺皓太
(F)ディエゴ・オリヴェイラ
「エンターテイメント性があった」
スピード決戦の行方は?
速さなら人後に落ちない両チームが、その持ち味を存分に見せ合ってゴールを奪い合った。
12分、中盤右からアンデルソン・ロペスが左サイドに送ると、快足を生かしたのが宮市亮。出場停止のエウベルに代わり、負傷から復帰して初めて先発した韋駄天が相手の前に出た。トラップしたボールはGK野澤大志ブランドンの飛び出しに止められ、こぼれ球に西村拓真が反応しながらこれも野澤にブロックされるのだが、そのこぼれ球を永戸勝也がループシュートで送り込んで、横浜F・マリノスが先制する。
次はFC東京がカウンターを完遂させた。23分、古巣対決となった仲川輝人がドリブルで運んで左オープンへ展開すると、俵積田晃太が一気に縦に抜け出してセンタリング、ニアに突っ込んできたディエゴ・オリヴェイラが押し込んで、同点とした。
湿度61%という蒸し暑さに悩まされてコンパクトさにはやや欠けて、前半からオープンな展開になると、速さ優先の色合いはさらに濃くなっていく。特に横浜FMが後半開始から井上健太を、FC東京が63分にアダイウトンとジャジャ・シルバと、ともにスピード自慢の選手を送り込むと、さらにスピードバトルは加熱していった。
66分にカウンターからアダイウトン、ジャジャ・シルバが立て続けに狙えば、横浜FMも2分後に井上が左から一気にカットインしてフィニッシュを放つ。84分にはFC東京が左CKからアダイウトンが放ったヘディングシュート、1分後に左からカットインした渡邊凌磨の強烈な左足のミドルシュートと、いずれもバーをたたくなど、ゴール前でのビッグシーンが増えて、そのたびに場内は沸きに沸いた。
そんな白熱のゲームに決着がついたのは、90+1分のこと。20メートル以上の距離から横浜FMの渡辺皓太が超高速ミドルシュートをゴール左にたたき込み、ついに勝ち越してみせた。
勝った横浜FMのケヴィン・マスカット監督は「アグレッシブさも出たし、特に前半は支配することもできました。長い時間、ポゼッションもできたし、切り替えのところもしっかりできた」、負けたFC東京のピーター・クラモフスキー監督も「両チームともいいフットボールをして、良さ出しながらの戦いで、エンターテインメント性もあった」と、どちらも激しく戦い合った選手たちを労った。