上写真=追い付いた広島は72分、FKに飛び込んだ佐々木(19番)のプレーが相手のオウンゴールを誘って2-1と逆転(写真◎J.LEAGUE)
■2023年5月7日 J1リーグ第12節(@Eスタ:観衆10,415人)
広島 3-1 福岡
得点=(広)ピエロス・ソティリウ、オウンゴール、川村拓夢
(福)山岸祐也
・広島メンバー◎GK大迫敬介、DF塩谷司、荒木隼人、佐々木翔、MF満田誠(21分:越道草太)、野津田岳人(HT:志知孝明)、東俊希、森島司(90+2分:松本泰志)、川村拓夢、FWピエロス・ソティリウ(86分:山﨑大地)、ナッシム・ベン・カリファ(HT:エゼキエウ)
・福岡メンバー◎GK永石拓海、DF前嶋洋太、三國ケネディエブス、奈良竜樹、小田逸稀(81分:田中達也)、MF紺野和也(75分:金森健志)、重見柾斗(81分:田邉草民)、前寛之、佐藤凌我(58分:鶴野怜樹)、FW山岸祐也(75分:ウェリントン)、ルキアン
後半立ち上がりの同点ゴール
前日に強い雨が降った広島地方は、試合当日も雨が降り続く、あいにくの天候に。水をたっぷり踏んだエディオンスタジアム広島のピッチはボールスピードが速く、スピーディーな試合展開を後押しする状況となった。
開始直後から一進一退の攻防が続くなか、11分に広島MF満田へのファウルで福岡DF小田が警告を受けた。ここではプレーに復帰した満田だが、後方からタックルを受けた際のダメージが大きかったようで、19分過ぎに自ら座り込んでプレーをやめてしまう。結局、21分にMF越道との交代を余儀なくされ、早くも交代枠を1つ使うこととなった。
だが、これを機に両チームの攻撃が加速。広島は23分に右サイドから崩してMF森島がセンタリング、MF東がダイレクトで合わせて左足シュートを放つも、福岡GK永石が好セーブで阻む。ピンチをしのいだ福岡は30分、ゴール前のクリアのこぼれ球をMF紺野が左足シュート。これは広島DF荒木がヘッドではね返したが、セカンドボールをつないで紺野が右からセンタリングを送ると、飛び込んだFW山岸がヘッドで合わせて先制点を奪った。
さらに福岡は41分、ゴール前のこぼれ球に反応した山岸が左足で狙い、広島GK大迫を破ったが、DF佐々木が体に当ててブロック。広島は前半アディショナルタイムに攻め込み、エリア内からMF川村が右足で狙うも、こちらはDF奈良がタックルで防いだ。
1点を追う広島はハーフタイムの選手交代で動き、FWベン・カリファに代えてMFエゼキエウ、MF野津田に代えてMF志知を投入。ボランチを2人にして中盤の配置を変えると、そこを起点にして50分に同点ゴールを奪う。GK大迫からの縦パスを、後半からボランチに移った川村と東でつないで右サイドに展開。パスを受けた越道が運んでニアサイドへセンタリングを送ると、FWソティリウがヘッドで合わせ、今季初ゴールを決めて追い付いた。
ここから徐々に圧力を強めた広島は敵陣深くまでボールを運ぶ回数を増やし、72分に逆転に成功する。右サイドでのFKを東が左足でニアサイドに送り、佐々木がヘッドで合わせようとしたところで、マークしていた福岡の山岸の頭に当たったボールがゴールに入ってオウンゴールとなった。
福岡も選手交代を交えて反撃の機会をうかがうが、広島は89分、敵陣深くまで攻め込まれたところからカウンター。川村とエゼキエウのパス交換で一気にボールを運ぶと、最後は川村が左足でゴール右下スミに蹴り込み、決定的な3点目を奪った。
広島は主導権を握った後半に攻撃の勢いが増し、鮮やかに3得点を奪って逆転勝ち。ミヒャエル・スキッベ監督は試合後の会見冒頭で「アビスパの前半は素晴らしかった」と相手を称えた上で、「逆に後半は自分たちがファンタステックな、素晴らしいサッカーができた。総合的に見れば、どちらにもたくさんの良いアクションがあった。Jリーグの中でも素晴らしい試合だったと思う」と振り返っていた。
現地取材◎石倉利英 写真◎J.LEAGUE