2023シーズンのJリーグが開幕した。オープニングマッチを制したのは、昨季王者の横浜F・マリノスだった。2−1で川崎フロンターレを下したが、水沼宏太は内容に満足せず、さらなる進化を誓った。

上写真=右ウイングで先発し、77分にベンチに下がるまで精力的にプレーした水沼宏太(写真◎小山真司)

追いつかれなかった事実が示す成長

「今日は本当に、みんなの勝ちたい気持ちが前面に出たと思う。僕らのやりたかったサッカーではなかったかもしれないけれど、勝ち点3を取れたのは成長につながる」

 王者・横浜FMにとっては、いきなり最大のライバルとの対戦と言えた。川崎Fは昨季、勝ち点2差で2位だった相手。右ウイングで先発した水沼宏太は試合をこう振り返った。

 相手のミスを逃さず、西村拓真が先制。CKからエウベルが加点。前半のうちに2−0とすると、反撃を後半アディショナルタイムの1点に抑えて、2−1で勝利した。2000年に水沼が復帰して以降、アウェーの川崎F戦で初めて勝ち点3を手にした。シーズンのスタートとなる試合でもあり、まさしく大きな勝利だった。水沼は「追いつかれたら、成長できていないことになったけれど、しっかり勝ち切れた」と、その価値を語った。

 川崎Fにボールを握られる時間もあったものの、自陣の危険エリアでは集中して守り、ボールを奪うや鋭いカウンターを放った。守備から攻撃への切り替えの早さは、今季も大きな武器になるだろう。ただ、「自分たちの力はこんなもんじゃない」と、水沼はさらに高みを見ている。

「前線の選手たちはもっと攻撃的にいかないといけないし、自分たちが出ていってクオリティーの高い攻めができるようにならないともっと上には行けない」と、いっそうの成長に意欲を示した。

 次戦のホーム開幕戦の相手は、浦和。水沼は気を引き締めて、勝利を重ねつつ進化を目指す。


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