上写真=先制ゴールを記録した木本をチームメイトが祝福!(写真◎J.LEAGUE)
■2022年7月17日 明治安田生命J1リーグ第22節(@味の素ス/観衆18,212人)
FC東京 2-0 磐田
得点者:(F)木本恭生、渡邊凌磨
木本の加入後、初ゴールで先制
相手のGKのミスで試合のすう勢が決まった。開始4分に訪れたFC東京のFKの場面。バングーナガンデが左足で入れたボールは磐田のDF山本義に当たり、高く舞い上がった。木本とGK三浦が落下点で競り合うと、木本が先に頭でボールをとらえ、ゴールイン。
GK三浦の目は空中にあるボールを追っており、忍び寄る木本の存在を同時に確認することが難しい状況になっていた。結果、ジャンプしてパンチングを試みたが、触ることができず。VARでもファウルはなく、木本のゴールが認められた。
木本にとってはこれが加入後、初ゴール。チームにとってほしかった先制点をもたらすことになった。先制した勢いを駆ってFC東京は前向きの守備で、磐田を押し込んでいく。すると14分、またも磐田のGKのプレーが、失点を生むことになった。
磐田の左CBのリカルド・グラッサからのバックパスを受けたGK三浦は、FC東京のCFレンアンドロからプレッシャーをかけられた。するとプレスを回避するように前線にグラウンダーのボールを送った。だが、ボックス外で待っていたFC東京の左ウイング渡邊。カットされると、そのまま持ち込まれてゴールを許した。
これでFC東京の2ー0。ホームチームにとっては最高、アウェーチームにとっては最悪の立ち上がりとなった。
前半を2-0で終え、迎えた後半。追いかける磐田は、CB山本に代えてFWジャーメインを投入し、陣形も3-4-2-1から4-4-2に変更して攻めに出た。55分過ぎにはジャーメインや上原がゴールに迫った。だが、FC東京守備陣も集中したプレーで対応。押し込まれても慌てず騒がず、しっかりゴールを閉じてみせた。
試合は結局、2-0のまま終了。FC東京は前節浦和に完敗した流れを断ち、磐田は悔しい4連敗を喫することになった。
ルーズなボールへの反応や切り換え、球際バトルでまさったFC東京はポゼッションでも上回り、味方のボールホルダーを積極的に追い越す動きも見られた。これまでもスプリント数や走力で上回ったときにはアルベル監督が目指すサッカーの片りんを見せてきたが、この日の磐田戦も、まさにそんな内容になった。逆に言えば、強度の高い相手に対してはなかなかボールをつなげず、苦しい戦いを強いられる傾向がある。まだ鋭いプレスをかいくぐるほど、ビルドアップが整理されていないということ。FC東京がさらなる浮上するには、その点こそがポイントと言えるだろう。
一方で無得点で4連敗を喫した磐田は、なかなか浮上のきっかけをつかめずにいる。後半は何度もゴールに迫ったものの、決め切れず。スタイルの問題もあるが、18チーム中、最もスプリント数が少ないのはやはり気になるところだ(前節終了時点)。むやみに走る必要はなくとも、チャンスの場面でゴール前に人が足りないケースももある。機に臨み、時に応じてボックス内へ選手が殺到するような攻撃が必要かもしれない。
リーグ戦はこの試合を終えてしばしのインターバルを挟み、7月30日に再開。FC東京はアウェーで、まさに強度自慢の広島とアウェーで闘い、磐田はホームで湘南と対戦する。
◆出場記録
・FC東京メンバー:GKヤクブ・スウォビィク、DF長友佑都、木本恭生、森重真人、バングーナガンデ佳史扶、MF安部柊斗、東慶悟(81分:梶浦勇輝)、松木玖生、FW紺野和也(71分:三田啓貴)、レアンドロ、渡邊凌磨(71分:ディエゴ・オリヴェイラ)
・磐田メンバー:GK三浦龍輝、DF山本義道(46分:ジャーメイン良)、大井健太郎(84分:森岡陸)、リカルド・グラッサ、MF鈴木雄斗、遠藤保仁(66分:松本昌也)、山本康裕、小川大貴、上原力也、大森晃太郎(66分:吉長真優)、FW大津祐樹(66分:金子翔太)