川崎フロンターレが復調してきている。その中心にいるのが、脇坂泰斗。明治安田生命J1リーグで直近のガンバ大阪戦では仲間のゴールに絡みつつ、自らも決めてみせた。E-1選手権に臨む日本代表にも選ばれて、ここからさらに階段を駆け上がる。

上写真=脇坂泰斗は最優先で真ん中を選択することで、脅威の存在に(写真◎J.LEAGUE)

小池龍太との共闘が楽しみ

 川崎フロンターレが上向きだ。J1第21節のガンバ大阪戦で、7分に相手が一人退場したこともあって攻め抜いて、4-0で快勝した。

 脇坂泰斗はその退場になったシーンでファウルを受け、2点目のきっかけのパスを送り、3点目は自らの左足で決めて、4点目は中央に送った右CKから生まれた。

「ボールを持てるゲームは多かったけれど、持っているだけでは相手は怖くないだろうと感じていました。中につければ外も空いてくるので、この前の試合では迷わず中を選択するようにしていて、2点目のシーンに表れたと思います」

 20分、左に開いたマルシーニョを内側でサポートして受けると、ボックス内のレアンドロ・ダミアンにくさびのパスを強く打ち込んだ。まさに「迷わず、中」である。レアンドロ・ダミアンは左に短くスルーパスを送ると、走り込んだマルシーニョがニアを破った。

 レアンドロ・ダミアンは4試合ぶりの先発出場で、6分には先制ゴールを挙げ、このシーンではアシストと結果を残した。

「ダミアンはポストプレーがうまくて、でもそこで彼任せにするのではなくて、周りが前向きに関わっていくことでそのポストを生かすことができます。あの場面でもマルシーニョが背後に走ったように、中でディフェンダーが食いつくのでほかが空いてきます」

 30分に決めた自らのゴールも、左からの佐々木旭のセンタリングにマルシーニョと一緒にゴール前に入っていって、スルーの声をかけて要求し、左足でていねいに流し込んだ。今度は自らが「迷わず、中」に入っていったのだ。トレーニングで細かく積み上げていることが試合に出た、という確かな事実が、好調を裏付ける。

 そして、その勢いは日本代表にもつながっていく。E-1選手権に臨む日本代表の一員に選ばれた。

「プレーヤーとして目指している場所で、今回入ることができましたけど、そこで何ができるかが大事です。そこにフォーカスしてやりたいと思っています」

 今回は国内クラブに所属している選手で構成され、初めて選ばれた選手が10人もいる。フレッシュだが、E-1選手権の優勝と、なにより11月のワールドカップのメンバー入りをかけて、チャンスをつかむ場になる。

「初対面の選手も多いので引っ張っていきたいと思っていますし、ピッチ内でもピッチ外でもコミュニケーションを取ることで、より人となりを知ることができてプレースタイルもわかるので、そういうところは大事にしたいと思います」

 そんな初代表の一人、横浜F・マリノスの小池龍太とのプレーを楽しみにしているという。

「僕が好きなタイプのサイドバックなので、同い年ですし、楽しみにしています」

 それこそ、どこにでも顔を出し、ボールに関わりながらフィニッシュまで持ち込む、Jリーグでもトップクラスのサイドバックだ。右でも左でもプレーできるから、ボールを中心にして楽しく会話できるイメージが湧く。

「脇坂泰斗はこういうプレーヤーだということをアピールしたいと思います」

 代表でも、中村憲剛の背番号「14」を受け継いだ。


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