7月9日の明治安田生命J1リーグ第21節、ガンバ大阪は川崎フロンターレに前半だけで4失点を浴びて敗れた。守備の要で経験豊富な2人、GK東口順昭とDF昌子源が試合の中で感じたこと、この大敗から改めて学んだものとは。

上写真=東口順昭(右)と昌子源が話し合う。悔しい敗戦を乗り越えなければならない(写真◎J.LEAGUE)

■2022年7月9日 J1リーグ第21節(等々力/18,466人)
川崎F 4-0 G大阪
得点者:(川)レアンドロ・ダミアン、マルシーニョ、脇坂泰斗、家長昭博

4-4-2と4-4-1と4-3-2

 6分、失点。7分、奥野耕平、退場。

 ガンバ大阪が、J1第21節の川崎フロンターレ戦で開始早々の「ダブルショック」を食らった。

「10人になった瞬間に、そのまま割り切って前半は0-1で、最悪でも0-2で耐えるのがミッションです。たらればになってしまうけれど、そうすれば後半どうなっていたか…」

 センターバックの昌子源が悔やむのはそこだ。前半だけで4失点して大敗することになるのだが、その分岐点となった、最初の失点のあとの戦い方に目を向ける。

「自分が1点でも2点でも止めていれば、違う展開になったと思うので…」

 GK東口順昭は自らの守備に矢印を向けた。このあと、20分、30分、36分と立て続けに決められた。片野坂知宏監督も東口も口を揃えたのが、メンタルの落ち込みだ。

「気持ちがどんどん落ちていって、3失点、4失点と続いてしまっています。力不足、だと思います」と東口がピッチでの実感を口にすれば、片野坂監督も「前半、選手が意気消沈したというか、はね返すパワーが感じられませんでした」と指摘する。

 もちろん、リカバーするための策は採っている。10人になってからはまず、2トップの一角に据えていた倉田秋を奥野のいたボランチに下げて4-4-1でバランスを維持した。

 2点目を失ったあと、右サイドハーフで起用していた山見大登を前線に送り、リーグ初スタメンとなるユース所属の南野遥海と並べて2トップにした。片野坂監督には「一方的に押し込まれる状況になるので、カウンターで背後のスペースを南野と山見で突いて起点を作る」という狙いがあった。中盤は中央に倉田、右に齊藤未月、左に小野瀬康介の3人になったが、「この3人であれば中盤でスライドして粘り強く引っ掛けて2トップに絡んでいける」と片野坂監督も信頼を寄せた。だが、さらに失点すると、倉田からの進言もあってもう一度4-4-1に戻して、前半を終えた。

 後半だけを見れば0-0だ。片野坂監督は「後半、シュートはありませんでしたが、得点を与えずに0-0で終えることができて意地を見せてくれました」と守備の粘りをたたえた。立ちはだかったのは東口で、続けざまのスーパーセーブは見事だった。62分に橘田健人の強烈なミドルシュートをはじき、73分に右からのCKからレアンドロ・ダミアンがニアで鋭く放ったヘディングシュートもセーブ、77分に中央を割られて遠野大弥に至近距離から打たれたパワーショットも左に飛んでかき出した。

「このままでは終われないし、1点でも2点でも次につなげる後半にしようと話しました。後半の無失点は良かったけれど、やはりこれを前半からできるように切り替えたい」

 東口がにこりともせずに自分に言い聞かせるように言えば、昌子も奮い立たせる。

「ボールにアタックすること、1秒でも長くキープすること、絶対にクロスを上げさせないこと、目の前のシュートには体を張ること、それぞれがいつもよりももっとやらなければならない」

 公式戦9連戦の8戦目がすぐ次に迫っている。中3日で迎える天皇杯ラウンド16の鹿島アントラーズ戦は、またしても敵地での戦いだ。そして16日にはホームでセレッソ大阪を迎え撃つ大阪ダービーが待ち受ける。今回の大敗を受けたことでなおさら、G大阪にとって勝負の連戦になる。

取材◎平澤大輔 写真◎J.LEAGUE


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