上写真=村上昌謙は川崎F戦でJ1通算50試合出場を達成した(写真◎J.LEAGUE)
■2022年5月14日 J1リーグ第13節(等々力/16,704人)
川崎F 2-0 福岡
得点者:(川)遠野大弥、車屋紳太郎
「僕自身は記録は気にしていなくて」
「失点は僕自身のミス。キーパーとして2失点という形になり、責任を感じています。勢いを持って戦う上で、後半立ち上がりの失点が勝利を遠ざける結果になって非常に悔しい」
アビスパ福岡にとっては、0-0の前半は悪くはなかった。川崎フロンターレに攻め続けられてはいたものの、ゴールを割られなければ負けない。だが、勝負の後半が始まってわずか10分でついにゴールを許した。中央を割られてかつての仲間である遠野大弥に蹴り込まれ、4分後にはCKから押し込まれた。
「映像を見ていないのではっきりは言えませんが、1点目はあのゾーンがぽっかり空いてしまった。なぜそこが空いたのか、その前はどうだったのかは詰めるべきところです。そこを声でやっていくのがサッカーで、どうやったら抑えられるのか詰めていきたい」
この1点目もCKから決められた2点目も、マークが外れていただけにGKとしてはノーチャンスに近い状態。村上のミスとばかりも言えないが、それでも自らの責任だと矢印を向ける。
この試合がJ1通算50試合出場の節目だった。だが、その事実に気づいていなかったという。
「僕自身は記録は気にしていなくて。ただ、こうしてJ1という素晴らしい舞台で戦えていい経験をさせていただいていますし、力がレベルアップすることをひしひしと感じています」
その実感とともに、仲間への感謝を忘れない。
「守ることができているのは僕の前に10人がいるからですし、キーパーも全部で4人いて、ほかに試合に出られない選手も含めて全員でアビスパというチームを構築しています。失点が少ないのはいいバランスがあるからで、僕もその中の一人に過ぎません」
負けたことは悔しい。「同じカテゴリーで戦っているチームとして、負けに来ているわけではなくて、勝ちに来ているんです」とその感情は隠さない。しかし、ここで改めてJ1トップクラスの基準を知ることができて、目指すべき場所がはっきり見えたのは、50試合目を祝うプレゼントだったのかもしれない。
取材◎平澤大輔 写真◎J.LEAGUE