上写真=アルベル監督はルヴァン杯に向けて「より自分たちのプレーが重要になるので、スタイルのレベルアップを促したい」(写真提供◎FC東京)
「ほかの選手も試してみたい考えがあります」
例えば、平川怜である。
アルベル監督はルヴァンカップについて、若手の成長を促す貴重な実戦の場でもあるという認識を何度も明かしてきた。グループステージ第1節では来季加入が内定している特別指定選手、荒井悠汰(昌平高)を先発で起用したり、第3節の湘南ベルマーレ戦の前には「サプライズがある」と宣言して、平川をピボーテ(中盤の底に位置するポジション)で先発させた。そして4月13日の第4節、湘南戦を前にして「いつもニュースは提供できればと思っていますので、いくつかのポジションで新しく起用しようと思っている選手が頭の中にあります。期待して待っていてほしい」と明かす。
第3節の湘南戦で起用した平川も、63分間のプレーで大きな経験を積むことができた。アルベル監督も実戦でプレーしたからこその収穫と課題を認識している。
「怜は技術的なレベルはとても高いものを持っています。ただ、ピボーテとしてプレーするには守備のバランスが大事になってきます。そこは彼がもう少し学ばなければいけない部分です。日々のトレーニングでしっかりと集中して臨んでいますし、改善してきているので、さらなる成長が期待できる要素です」
ピボーテのポジションは現在、青木拓矢がファーストチョイスで、森重真人や木本恭生のセンターバックをコンバートするアイディアも含め、「その次」を争う局面だ。平川はもちろん候補の一人だが、競争はある。
「もちろん彼だけではなくて、ほかの選手の成長や活躍も期待しています。このポジションではまだほかの選手も試してみたい考えがあります。リーグ戦においてさまざまな選択肢が増えるのは、監督としてプラスに働きますから、ルヴァンカップで起用していきたい」
グループDでは現在2位。若手に経験を積ませるだけではなく、もちろん勝利にもこだわるから、首位の湘南を下して入れ替わりたい。負けても経験にはなるが、勝利の成功体験こそ若手を一気に伸ばす糧になる。