上写真=脇坂泰斗は次節の柏戦へ「奪ったあとの攻撃が早いので、奪われ方に注意したい」(写真◎J.LEAGUE)
「まずは押し込んでサッカーをする必要が」
「非常に歯がゆい、というか…」とは、ここ2試合で1分け1敗という結果をかみ締めた、脇坂泰斗の正直な気持ちである。
セレッソ大阪に1-4、ジュビロ磐田に1-1。ホーム連続無敗新記録がかかった一戦で大敗し、中3日で臨んだアウェーゲームではアディショナルタイムまで1点をリードされ、最後の最後に相手GKのファンブルもあって辛くも同点に追いついた。ここ2年は苦しい時期がありながらも圧倒するゲームも多かったが、今季はすでに2敗。
さらに中2日で柏レイソル戦が待つが、短い時間で乗り越えるために最優先にするのが「サポート」の意識だという。
「ゴールにつながっていないのがすべてです。磐田戦もシュート16本で1ゴールしか取れていないのが問題で、最後の質のところのほかに、シュートを打った局面でも周りにサポートがあるので、いい選択をすることが大事です」
例えば、シュートを打つとわかっている選手には、近づいていってパスコースを作るサポートは必要ない、と考えがちだが、そうではないという。あえて近寄っていくことで、選択肢を増やすことはもちろん、少しでも相手の注意を引けばシューターから一瞬でも目を外させることもできる。ほかの局面でも、足も頭も止めないで動かし続けることが「サポート」になるということだ。
同じことが「ニアゾーン」の攻略のパターンにも言える。川崎Fの攻撃の楽しさは、ゴールポスト脇からペナルティーエリアのあたりの、いわゆる「ニアゾーン」をどう取っていくかにある。そのバリエーションが豊富なときは、好調の証だ。
「ニアゾーンに走っていって完結できるときもありますし、ニアゾーンを取ったあとに相手の目線がそこにいくので、そこで逆サイドに展開できるというメリットもあります。だから、取り続けることが一番大事だと思います」
ここ2試合では、その攻略法そのものよりも、回数を増やすことが課題だという。
「そこに入ったときはいいですけど、まだ回数が少ないかなと思います。インサイドハーフが走るのもそうだし、トップが入るのもありですね。ウイングが中に入ってサイドバックが高い位置を取ってから、またウイングが入ることもあります。そういったバリエーションは大事にしていきたい」
そのための前提として、大事にしたいのが「時間を作る」こと。
「その前に、まずは押し込んでサッカーをする必要があります。ニアゾーンを取るための時間を作るのも大事なので、そこを大切にしたいと思います」
まずはボールを相手陣内に運んでから、「フロンターレタイム」と呼べそうな、ニアゾーンを取るための時間の流れを生んでいく。好調の柏レイソルと対戦する9日の第8節では、そんな時間の作り方がキーポイントになりそうだ。