上写真=戦況を見つめる鬼木達監督(写真◎小山真司)
自分たちのマインドは攻撃
スーパーカップ以降の3試合、浦和戦、FC東京戦、横浜FM戦でそれぞれ浮き彫りになった課題があると鬼木監督は言う。まず、スーパー杯の浦和戦。「浦和のときはボールは持つけれども仕掛ける回数や背後に行く回数が少し減っていた。そこで迫力をもっと出したかった」。そしてJ1開幕のFC東京。「序盤は背後、背後というところでチャンスを作り続けたと思いますけど、そこでパワーを使っているうちに得点ができず、ゲームコントロールという面でうまくやれなかった」。
2試合の内容を踏まえ、横浜FM戦(J1第9節)には「攻めのマインド」を確認して臨んだ。しかし結果は2-4で敗戦。鬼木監督は「FC東京戦で見せた押し込まれた中で体を張って守るとか、そういうのは自分も無くしてほしくないですが、ただ順番は攻撃だという話をしました。その結果、序盤はプレッシャーが来てもしっかりとボールをつなぎながら前進していたと思いますし、得点シーンは自分たちがつくり出したところからの得点だったので、少しずつですけど、自分たちが狙っている形は出てきている」と手応えを語った。その一方で、「自分たちのマインドは攻撃なんだ」と強調したことによりFC東京戦で出せていた球際の厳しさは「緩くなってしまった」とも指摘。ゲームコントロールの面でもまだまだ改善の余地が見られたという。
ここまでの3試合は、一つを得て、一つを失った。これが何一つ失うことなく積み重ねていけるようになるとチーム力が伸びていく。まだシーズン序盤であり、完璧な状態ではないのは指揮官も認めるところ。リーグ開幕2試合目での敗戦や4年ぶりの逆転負けが話題になること自体、ここ数年の川崎Fがいかに強かったかの証明だろう。鬼木監督は現状を冷静にとらえている。
「独走と言われてきましたが、毎回話している通り、結果的にそうなっているだけであって簡単なゲームは一つもなかった。スタートでこういう状況ですが、自分たちに関して言えば、一歩ずつ積み上げていかなければいけない作業が数多くある。一つの勝敗に一喜一憂するのではなく、自分たちの今の力をしっかりと見極めながら、その中で自分たちのマインド、攻撃で勝負したいというところを出したい」
チームは発展途上。一戦一戦、成長していくことが肝要。
「本当に長いシーズンの中で、切り替えて次へ次へというのが重要だと思っていますし、そういう経験はみんなしてきています。(選手も)2試合目で負けたという悔しい思いはあるとは思いますけど、ここからという思いもあると思う。今シーズンはそういう意味でいうと、苦しい戦いの中でも最後に、テッペンに立っていればいいと。そういう気持ちでやってほしいという思いがあります」
次戦は鹿島とのアウェーゲーム。川崎Fは中2日で臨むが、相手は週中の試合が中止となり、1週間、試合の間隔が空いた。「コンディションで言えば、自分たちの方が厳しいのは間違いないですけど、それを言い訳にせず、気持ちのところで上回るというか、そこがベースにないと戦いにならないと思っています」。
シーズンインからの3試合で出た課題を、4試合目でどれだけ修正して臨めるか。注目の鹿島戦は26日、15時にキックオフされる。