横浜F・マリノスは23日、J1第9節で昨季王者・川崎フロンターレと対戦した。先制を許す苦しい展開も後半に4ゴールをスコアして逆転勝ち。左ウイングで先発した仲川輝人はそのうち2ゴールを決めて、勝利に大きく貢献した。

上写真=川崎F戦で2ゴールを決めた仲川輝人(写真◎小山真司)

■2022年2月23日 J1リーグ第9節(日産スタ/観衆20,433人)
横浜FM 4-2 川崎F
得点者:(川)家長昭博、知念慶
    (横)エウベル2、仲川輝人2

自分たちの形で取った1ゴール目

 開幕戦に続き、見事なスピードと技術、何より秀逸な位置取りでゴールを奪った。リーグ2連覇中の王者相手に2ゴールを挙げた仲川輝人のことだ。

 川崎Fに先行を許す苦しい展開の中、後半の57分にエウベルのゴールで同点に追いついた1分後。右サイドを破ったエウベルから送られた鋭いクロスに反応。ボックス内でボールをとらえ、ネットを揺らした。

「点を取るポジションがいいと、ボールも自然に来ます。自分たちのスタイルというか、『こういう動きをしたらここに入って来い』という、ダイレクトでゴールキーパーとDFの間にクロスをあげるという約束事というのは、ボス(アンジェ・ポステコグルー前監督)にずっと言われていたことだし、ケヴィン(・マスカット監督)が来てからも継続してやってきています。そのことが今日の得点につながった」

 開幕戦で「点を取るときにはペナルティーエリア内へ入っていっていって、ということが多いので」と話していたが、まさにその形でこの日もネットを揺らした。圧巻は2点目だ。左斜め45度から右足をカーブをかけてゴールを射抜いた。「自分のマークとの距離が空いていて、誰かがオーバーラップかインナーラップかをして、中にスペースが空いた。なんか打ってみようかなという感覚で打ったら入った感じ」と本人は謙遜し、「練習でも決まったことがない」と笑ったが、技術の高さを見せつける一発だった。

 これまで主に右サイドを主戦場にしてきた。だが、開幕から左ウイングとしてプレーし、2試合で3ゴール。すでに左ウイングでゴールを挙げる「勘所」をつかんでいるようにも感じる。84分にベンチに下がる際には監督と会話し、ウイングがセカンドストライカーとなり、「ペナルティースポットまで入っていく」ことで「点が取れる」ことを改めて確認し合ったという。

 開幕戦の試合後には2019年に「得点王になったときの感覚があった」とも語っていたが、その言葉通り、この日も見事にネットを揺らした。今後に向けてはチームとして「先制点を奪うこと」が大事と話し、個人としては「1対1になったときに中も縦もどっちでも相手の脅威になれるように」プレーしたいと語った。その目はすでに次の試合に、さらにその先へと向いている。

 ケガの影響もあり、20年は2ゴール、昨季も2ゴールに終わったが、2022年の仲川は過去2年間とは明らかに違う。リーグMVPと得点王をダブル受賞した2019年当時のように、ピッチでひと際まぶしい輝きを放っている。

取材◎佐藤 景


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