上写真=強い決意をもってシーズンインし、開幕先発を果たした進藤亮佑(写真◎Getty Images)
C大阪の2022年公式戦初ゴール
札幌から加入した昨シーズンはケガの影響もあり、9試合の出場にとどまった。うち先発は7回のみ。不本意なシーズンと言えた。しかし2022シーズンは、開幕戦でセンターバックとして先発出場を果たした。「開幕は選手みんなが目指している場所です。去年はケガで開幕のピッチに立てなかったぶん、そこに立てる喜びを感じながら今日はプレーしました」。しかも、チームの2022年の公式戦初ゴールもマークする。
39分、右CKの場面で原川力が蹴ったボールをヘッド。狙いすましたシュートでゴール右上を射抜いた。「キッカーが本当ににいい選手がそろっているので、ボールをしっかり見て基本に忠実にヘディングした結果です」と謙遜したが、競り合いの中で強く叩きつけられる体勢にはなく、弧を描く軌道のシュートで狙ったものだった。相手守備陣の身長がそれほど高くないことを事前から把握し、キッカーの原川には「自分のところで勝負させてくれ」と話していたという。事前の準備と原川の正確なキック、そして進藤のヘディング技術が組み合わさって生まれたゴールだった。
進藤のゴールで先制したチームはしかし、以降は横浜FMにボールを握られ、苦しい時間を過ごすことになった。後半、仲川輝人に同点ゴールを決められ、78分にはアンデルソン・ロペスの逆転ゴールを許す。進藤はその逆転ゴールは体を投げ出してブロックに入ったが、不運にもシュートは自らの体に当たって角度が変わり、ゴールに吸い込まれてしまった。「守備の時間が長くなって自分たちの時間がつくれない展開は予想は出来ていましたが、それでもやっぱり自分たちの時間が必要だなと感じた試合になりました。もっと練習の中から立ち位置やパス1本の質、3人目の意識というところをもっと話し合っていくことが必要」と反省した。
90分にまたもCKから清武弘嗣のゴールが決まり、アウェーで貴重な勝ち点1を手にしたが、試合後、進藤はしっかり課題にフォーカスし、修正の必要性に言及した。「(失点後も)メンタル的に落ちることなく臨めましたが、チームとしてのアグレッシブさ、自分たちの時間を落とさず勢いを持ってやるという点では、相手の方が上だった。アグレッシブさが、自分たちにはもっと必要だと思います」。
23日にルヴァンカップ開幕戦の大阪ダービーに臨み(ガンバ大阪戦)、さらに中2日で京都サンガF.C.とホーム開幕戦に臨む。修正するための練習時間が限られる中で、どう準備し、どう戦っていくか。
「攻められる回数が増えれば失点のリスクも高まる。守備の部分で跳ね返すだけではなく、次の攻撃につなげることが今後、求められると思っています。守備も攻撃もレベルアップしていかないといけない」。開幕先発を勝ち取り、そしてファーストゴールも決めた進藤。プレーで主軸を担う可能性を示すと同時に、チームを向上させる強い意欲も示した。