横浜F・マリノスは19日、セレッソ大阪とのJ1リーグ開幕戦に臨み、2-2のドローに終わった。結果は勝ち切れなかったが、ポジティブな要素が多く確認できた試合でもあった。中でもポジティブな印象を残したのが、アンデルソン・ロペスだった。

上写真=横浜FMの選手としてのデビュー戦で1ゴール1アシストを記録したアンデルソン・ロペス(写真◎J.LEAGUE)

■2022年2月19日 J1リーグ第1節(日産スタ/観衆13,737人)
横浜FM 2-2 C大阪
得点者:(横)仲川輝人、アンデルソン・ロペス
    (C)進藤亮佑、清武弘嗣

指揮官も称賛の1G1A

 加入が発表されたのは2月3日。まだチームに完全にフィットしているとは言い切れない。コンディションが万全ではないことは本人も認めている。しかし、である。C大阪との開幕戦に66分から登場するといきなり大仕事やってのけた。

 1点を追う中でピッチに入ってから3分後。ボックス右でパスを受けると迷うことなくボックスイン。複数人に相手守備者に囲まれる状況ながら右足でグラウンダーのクロスを送ると、フリーの仲川輝人が待っていた。1-1に追いつくゴールをアシストしてみせた。

「ペナルティーエリア付近でボールをもらって、相手の逆を突いてクロスを送ったところでテル(仲川)が良いポジションを取ってくれていた」

 巧みなステップワークで対面した相手CB西尾隆矢の背中側を取り、一瞬、対応が遅れたと見るやクイックネスで間合いを外す。スライディングするより早く右足を振ってクロスを送った。一連のプレーのスタートで松原健の縦パスを収めたピタリと止めたが、そのことで自分が優位になる時間と空間を生み出した。そこからの選択もまた、実に見事なもの。

 ただ、この日のA・ロペスの仕事はこれだけに留まらなかった。78分、今度は自らネットを揺らす。マルコス・ジュニオールからのパスを引き取ったA・ロペスがボックス内の渡辺皓太へ送った縦パスはうまく合わなかった。だが、ゴール前にこぼれ、CB西尾がクリアを試みる。ただ、ボールの行き先にはA・ロペスがいた。すぐさま左足を振り抜くと、シュートは進藤亮佑に当たってゴールイン。
「得点の場面はうまくこぼれ球を拾って、コントロールしてシュートしようと思ったのですが、相手に当たってリフレクションして。でもゴールになって良かったです」

 破格の活躍にはケヴィン・マスカット監督も賛辞を惜しまなかった。「本当に(彼にとって)ポジティブなスタートだったと思います。もちろん、まだ完全な状態でないのは明らかです。相手が疲れているから、彼がうまくプレーできたと思う人もいるかもしれませんが、そうではありません。相手が深く守備をしている中で、アンデルソン・ロペスの特徴が生きると感じ、あのタイミングで投入しました。その中で準備してきたもの、彼自身が持っているものをしっかり出してくれた。加入して間もないですがいいパフォーマンスを見せてくれた」。この日のプレーが天井ではないーー。指揮官はそうも言いたげだった。まだまだ力を発揮するということだ。

「悔いが残るのは引き分けたこと。勝ち点3を取れたら完璧なデビューでした。雰囲気もすごく良かったので、チームに少しでも貢献できたことはうれしく思いますが、次の試合へしっかり準備していきたい」

 結果は引き分けに終わったが、この日の試合では横浜FMのポジティブな面が数多く出たと言っていい。狙いを持った連動や攻守両面のアグレッシブさと強度の高さ、切り替えの速さも発揮された。中でも、最も鮮烈な印象を残したのが新加入のFWアンデルソン・ロペスの『攻撃能力』だった。


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