ヴィッセル神戸のMFアンドレス・イニエスタがキャンプ2日目に取材に応じた。昨季はチームにとって過去最高位となる3位に入り、ACL出場権を獲得。イニエスタ加入後の5シーズンで着実に進化を遂げるチームについて、自身のキャリアについて語った。

上写真=充実したトレーニングができていると語ったイニエスタ(写真提供◎VISSEL KOBE)

アジアナンバーワン物語の続きを

 神戸はアジアナンバークラブになることを目標に掲げ、強化を図ってきた。2020シーズンには天皇杯に優勝してACLに初めて挑み、準決勝に進出。蔚山現代(韓国)に1-2で敗れてあと一歩のところで涙をのむことになった。

 イニエスタも圧倒的なスキルでチームをけん引し、グループステージ突破に貢献したが、ラウンド16の上海上港戦で負傷。準々決勝の水原三星戦では途中出場で7分間プレーしたが、ケガが悪化し、決勝進出をかけて臨んだ準決勝はスタンドから試合を眺めることになった。

 アジアの頂点を目指す物語の続きを、この2022シーズンを綴ることができる。今季3季連続でキャプテンを務めることになったイニエスタは「今シーズンはモチベーションが高くて、大きな挑戦になるシーズンだと考えています。いろいろな戦いがあり難しいこともありますが、昨シーズンはチームとしていい結果を残せたので、それ以上の結果を残せるように挑んでいきたい」と意気込みを語った。

 オフも日本に留まり、昨季は前述のACLで負ったケガのために出遅れた今季は「チームが一つになるために重要な時期」と話すキャンプから参加。チームとしても「良い入り方ができている」とスタートからいい雰囲気でトレーニングに取り組めている様子だ。2018年シーズンの途中に加入し、今季では5シーズン目。「神戸のプロジェクトにワクワクして」移籍を決断し、実際に右肩上がりでクラブは成長を遂げ、自身も日本でのプレー、生活に満足感と幸福を感じているという。

 ただし、ここまでの成功が未来を約束するかと言ったらそうではないとも指摘した。「昨年、大きな成果を出しましたが、今年はまたゼロから始めなければいけない。去年の成果は去年ので勝ち取ったものです」。キャプテンは、そう言って気を引き締めた。さらなる成功は、さらなる努力でしか手に入れることはできないということだろう。

 取材日はJFL鈴鹿ポイントゲッターズに期限付き移籍したFW三浦知良が加入会見を行なった日と重なったが、そのことのついて聞かれると「年齢に関していうと、今のところカズ選手の年齢(54歳)までやれるとは正直思っていません」と話しつつ、「今の年齢になっても毎日チームメイトと一緒に練習して、モチベーションを感じられているということが一番大事。まだまだ自分としては成長したいし、チームに貢献したい」と変わらぬ意欲を示した。そして「今はクラブ、サポーター、神戸の街など環境に恵まれていて、サッカーを続けるモチベーションがあります。それを感じ続けている間はやっぱり選手をやりたい」ともコメント。

 今年38歳になるが、サッカーに対する情熱は少しも失われていない。2022シーズンもピッチを華麗に舞うイニエスタの姿が見られそうだ。


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