沖縄でキャンプに入ったFC東京。アルベル監督の就任によってさまざまな常識がリフレッシュされる中で、安部柊斗も刺激を受けている一人だ。新スタイルの構築を図る過程で中心人物として欠かせないだけに、貪欲に吸収する意欲で表情が輝いている。

上写真=沖縄キャンプで鍛える安部柊斗。プロ3年目でリーダーの自覚も芽生える(写真提供◎FC東京)

ボールを愛して大事にする

「ポゼッション」ではなく「ポジショナル」。

 安部柊斗がアルベル監督から伝えられたメッセージを受け止めた。

「自分にとっては初めての外国人監督です。とてもユーモアがあって、話の中にいろいろとジョークを入れる方ですね」

「たとえ話やいろいろ海外の選手の話が出てくる中で、自分が感じたのは特に『ポゼッションではなくて、ポジショナルと言っていこう』という言葉でした」

 ボールを支配する、のではなく、正しいポジションを取りながらボールをゴールへ運んでいく。似て非なる言葉の整理ができた。

「ポゼッションというのはつなぐとか支配するという意味だと思いますが、監督はポジショナルといってボールを愛して大事にする、ボールのことを女性に例えて優しく扱わなければ、という表現も入れながらおっしゃっていて、面白かったです」

 キャンプは始まったばかりだが、刺激はたっぷりだ。

 アルベル監督への理解を深めるために、昨季まで指揮を執っていたアルビレックス新潟の戦いを確認しようと考えているという。

「見ておかないといけないと思い始めています。どういうボランチが必要なのか、どういう選手が試合に出ていたかは興味があります。自分が試合に出るために確認しようと思います」

 新潟では運動量豊富でボール奪取に長ける高宇洋、低い位置で長短のパスを操りながら自らもフィニッシュワークに入る島田譲、攻から守のトランジションの場面で幅広いエリアをカバーし、予測力を生かして連続攻撃を仕掛ける福田晃斗という3人がプレーすることが多かった。特徴はそれぞれだが、共通するのはやはり、守備のスピードと強度の高さだろう。そしてそれは、安部がすでに持っているものでもある。

「アルベル監督のサッカーへの理解度は高めないといけないし、求められるプレーを自分の中で考えて理解して行動に移すことをやっていきたいと思います。ボールを失わないプレーをしていきたい」

 昨季はまさかのノーゴール。攻撃にかかる部分への上積みを自分に厳しく課しながら、新スタイルを吸収していく。

 もう一つ、リーダーの役割も求められる。ここまで2年、コンスタントに試合に出て、主力として振る舞うことが求められるシーズンになる。

「今年で3年目で、そろそろ自分がもっと引っ張っていかないといけないという気持ちが芽生えてきています」

 森重真人がキャプテン、ディエゴ・オリヴェイラが副キャプテンとなり、アルベル監督がキャンプを通してあと2人の副キャプテンを選ぶ予定だという。

「監督が選ぶことなので、しっかりキャンプでアピールして引っ張っていって、その結果として選んでくれればと思います。とにかく、ピッチでしっかりアピールしていくだけです」

「資格」を得る意欲はたっぷり。そのためにも、沖縄で濃密なトレーニングに集中していく。


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