上写真=松原修平はJ1でのプレーとチームの上昇のために戦う(写真◎スクリーンショット)
「素敵な言葉をかけられましたね」
松田天馬、武富孝介、山崎凌吾、金子大毅。ザスパクサツ群馬から加入したGK松原修平は、2019年に湘南ベルマーレでともに戦った仲間と、今度は京都サンガF.C.で再び勝利のために力を合わせることになった。
そしてもちろん、そのときに指揮を執っていたチョウ・キジェ監督とも。
「当時はチョウさんが湘南で長くやっていたときに入ったので、すでに『湘南スタイル』がありました。いまは京都のスタイルを作り上げている段階なのかなと思いますし、選手も意欲的です。僕も昔一緒にやっているので、チョウさんの考えを伝えたりスムーズに進める役割はあるかなと思いますが、でもチョウさんもアップデートしていて、また新鮮な感じです」
12年ぶりにJ1で戦う京都において、チョウ監督体制2年目でさらにステップアップするために、監督自身も前に前にと進んでいることを実感している。
「テンポは一緒なんですけど、練習の作り方とかアップデートしてまた難しくなってしんどいです。違った視点も増えてきていたり、選手の個性に合わせているところもあるので、頭が痛いですね」
そんなふうに笑うのは、大いなる刺激を受けているからだ。
「京都は世界に誇れるものがあるから、僕たちも世界に誇れるサッカーをしていこう、という話をチョウさんがしていました。ぐっと心をつかまれるというか、本当にそうだなと。素敵な言葉をかけられましたね」
ファジアーノ岡山ネクスト時代に地域リーグやJFLでもプレーした。その後、ステップアップしていく中で「苦労人」と言われることが多いというが、本人はそう感じてはいない。
「僕の場合は岡山でプロ契約した上でネクストに出ていたのでほかに仕事をしていたわけではないですが、周りの選手や対戦相手は仕事して練習してという人が多かったんです。プロを負かそう、Jに上がりたいという人と本気で試合できたのは楽しかったし、生きるか死ぬか、昇格できなかったらチームが存続できない、という状況もありましたから、Jと違う戦いがあって楽しかった」
悲壮感はない。持ち前のそんな前向きな気持ちが、新たな挑戦に駆り立てることになった。J2で28試合、J3で32試合に出場したが、J1ではまだプレーしていない。若原智哉、上福元直人、太田岳志、マイケル・ウッドとともに、珍しいGK5人体制でシーズンに臨む。競争はますます激しい。
「J1のピッチに立ったことがないのでまずは試合に出ること、より勝利に貢献することはもちろんです。そして、チームがどう進んでいくかを考えながら、ピッチ内外でコミュニケーションを取ることが求められていると思います。京都というチームが上に行くために僕がどう力を使うか、自分だけではなくて、京都を上に上げるために何ができるかを逆算しながら行動していきたいと思います」