明治安田生命J1リーグは12月4日が最終節。FC東京で急きょ36節から今季いっぱいまで指揮を執ることになった森下申一監督にとっても、3試合目にして最後の試合だ。1勝1敗で臨むのは、アビスパ福岡とのホームゲーム。ホーム初勝利で勝ち越して来季につなげたい。

上写真=森下申一監督はアウェーの広島戦で監督初白星。戦える選手を起用してつかんだ逆転勝利だ(写真提供◎FC東京)

波多野は「かなり自信を持ってやってくれた」

 森下申一監督にとっては、指揮を執るのは3試合だけ。横浜F・マリノス戦で0-8の大敗を喫して長谷川健太前監督が急きょ辞任したことに伴って就任すると、続く徳島ヴォルティス戦が「森下東京」の初戦になったが、0-2で敗戦。しかし、次のサンフレッチェ広島戦は2-1で逆転勝利を収めた。

 森下監督はGKコーチ出身で、徳島戦では守護神として児玉剛を、広島戦では波多野豪を起用している。横浜FM戦大敗のきっかけとなった波多野を一度、ベンチで休ませる格好になった。

「今年、頑張ってもらいたいということで起用してきて、ただ波があったりするので、しっかりしてもらいたいと思ってこの前の試合は見ていました。かなり自信を持ってやってくれたと思います」

 徳島戦をベンチから見させて、次の1週間のトレーニングで回復させて、広島戦へ。前半早々の12分に失点はしたものの、大崩れすることなく、逆転勝利の礎になった。さらに、内田宅哉、中村帆高が復帰、紺野和也も復帰後初ゴールと、負傷で苦しんできた選手たちも躍動した。

「トレーニングでゲームができずにぶっつけ本番で使ったんですけれど、トレーニングの取り組みが良かったので問題ありませんでした。起用した選手が活躍してくれるのはすごくうれしいことですし、(最終節の)福岡戦でもまた新しい人が活躍してくれることを期待しています」

 高萩洋次郎も「監督のためにと一つになった」と選手の思いを明かしていて、監督冥利に尽きる「初勝利」だった。

「やるべきことをしっかりやってくれました。球際や切り替えのところ、しっかり走ることをしてくれました。最後は押し込まれましたけど、体を張って守ってくれたし、身を挺してくれてありがたかった。そういう選手を選んで起用しましたし、最終戦も同じ気持ちで戦ってほしい」

 最終節はアビスパ福岡をホームに迎える。順位がひとつ上で、勝てば入れ替わるチャンスだ。森下監督にとっても3試合目にしてラストマッチ。ホーム初勝利を収めて2勝1敗と勝ち越して、有終の美を飾るつもりだ。


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