上写真=前日練習は雨の中での調整。長谷川健太監督は選手たちの集中力を感じているという(写真提供◎FC東京)
「クオリティーをいかに高めることができるか」
「負けたことを踏まえて、締まった状態で来るのではないでしょうか」
FC東京の長谷川健太監督が警戒するのは、10月23日のJ1第33節で味の素スタジアムに迎える鹿島アントラーズのことだ。10月2日の前節では残留をかけて戦う横浜FCに1-2で敗れている。鹿島としてはAFCチャンピオンズリーグ出場権を獲得できる3位以内に入るために、もう負けられないゲーム。だからこそ、ピンと張り詰めた空気の中で向かってくるという予測だ。
「非常に力のあるチームです。素晴らしいメンバーが揃っていますから、一つになれば力を発揮します」
その「力」はアウェーでの対戦でまざまざと見せつけられた。強さ、速さ、うまさに屈して、元気のないままに0-3で敗れた5月の第13節。
FC東京はルヴァンカップ準決勝で惜しくも名古屋グランパスに敗れて連覇を逃し、リーグ戦でも3位まで14ポイント差という状況。来季に向けては、IT大手「ミクシィ」の経営権取得や長谷川監督自身の退任などの可能性がメディアに並んだ。「いろいろと報じられて難しい状況にあると思いますが、選手たちは試合に向けて準備してくれています。集中したトレーニングをしています」と残り6試合に目を向けている。
ポイントは大きく2つ。まずは、勝利だ。
「一つでも上の順位でフィニッシュできるかどうかというところだと思います。特にホームでは勝利を目指して戦いたい。シーズンも終盤ですから、いま劇的にサッカーが変わることはないと思いますが、これまでの積み上げでできているサッカーのクオリティーをいかに高めることができるか」
そして、プロとしてピッチに立つ強い思いだ。
「気持ちを見せた試合を、1試合でも多くやれるかどうかだと思っています」
「FC東京2021」はあと6試合。「決めきれるか、防ぎきれるか、という厳しい展開になるのではないか」と想定する鹿島戦でアウェーでの借りを返して、最後まで走り続ける。