2021年10月2日、明治安田生命J1リーグ第31節が開催された。ノエビアスタジアム神戸ではヴィッセル神戸対浦和レッズが行なわれた。ACL出場権を争う4位と5位の直接対決としても注目された対戦は、5-1で神戸が完勝した。

上写真=チームの3点目を挙げ、大迫勇也と抱き合うイニエスタ(写真◎早浪章弘)

■2021年10月2日 明治安田生命J1リーグ第31節(@ノエビア/観衆7,923人)
神戸 5-1 浦和
得点:(神)大迫勇也、アンドレス・イニエスタ2、武藤嘉紀、ボージャン・クルキッチ
   (浦)小泉佳穂

・神戸メンバー:GK飯倉大樹、DF山川哲史、菊池流帆、トーマス・フェルマーレン、酒井高徳、MFセルジ・サンペール(70分:大崎玲央)、郷家友太(70分:リンコン)、佐々木大樹(46分:中坂勇哉)、アンドレス・イニエスタ(75分:ボージャン・クルキッチ)、武藤嘉紀(87分:小林友希)、大迫勇也

・浦和メンバー:GK西川周作、DF酒井宏樹(81分:西大伍)、岩波拓也、アレクサンダー・ショルツ、明本考浩、MF平野佑一(70分:伊藤敦樹)、柴戸海、関根貴大(87分:大久保智明)、小泉佳穂(81分:田中達也)、汰木康也(46分:キャスパー・ユンカー)、FW江坂任

イニエスタが圧巻の2得点1アシスト

 リーグ戦で7戦無敗の浦和相手に、神戸は試合直後から優位にゲームを進めた。巧みなパスワークで相手のプレッシャーを回避し、敵陣へと進入していく。1点目は、左サイドを攻略して決めた。8分のことだ。左サイドバックの酒井高が相手最終ラインの裏へとグランウンダーのパスを通すと、ドンピシャのタイミングで走り込んだ大迫がボールを浮かすように蹴り込み、ネットを揺らした。

 相手との競り合いながらの難しいシュートだったが、きっちり決め切った大迫はさすがのひと言。そして、この日本代表FWの加入後初得点で圧巻のゴールショーの幕が開く。ショーを演出したのは、イニエスタ。21分に直接FKを沈め、2点のリードを奪うと、34分には左に流れた大迫からの横パスをボックス手前で受けて右足一戦。相手DFに当たったボールはコースが変わり、ゴールへと吸い込まれた。

 両チームの順位は、神戸が4位で、浦和が5位。得失点差は8点あるものの、勝ち点は54で並ぶ。実力伯仲であり、1点を争う展開も予想された。しかし、前半のうちに3-0と神戸がリードする『意外な』展開になった。

 ビハインドを背負った浦和は後半開始からユンカーを投入し、反撃に出る。この交代は奏功し、前線に基準点ができたことでチームの狙いも整理され、攻撃に厚みが出始めた。49分にはそのユンカーのスルーパスに反応した小泉が蹴り込み、1点を返すことに成功。浦和が後半開始早々に2点差に詰め寄った。

 しかし、である。この日の神戸は簡単に流れを渡すことがなかった。またもイニエスタの『ひと振り』が効いた。左サイド深く進入したサンペールのクロスが流れてきたところを右サイドで拾うと、すぐさまゴール前へボールを供給。高くジャンプした武藤が頭でコースを変え、ファーサイドへ流し込んだ。

 反撃の機運を高めた浦和の心を折るようなゴール。4-1として神戸が浦和を突き放した。その後も浦和はゴールを目指してプレーしたが、神戸も集中力を切らすことなくプレー。イニエスタに代わって登場したボージャンが84分にミドルシュートを決め、これまた加入後初となる得点でリードをさらに広げた。

「選手たちが必死に戦い、中2日で移動もあった中で気持ちがすごく入ったプレーが多く見られて、選手たちには頭が上がらいないですね。攻撃も守備もアグレッシブにいくという中で、本当に前線からの限定、後ろのスライドも含めて非常に良かった。(どの得点がポイントだったか?)どの得点もすごく大事。取るべき人が取ってくれました」

 前節、川崎Fに逆転負けした悔しさを糧に浦和戦に臨み、ACL出場権を争うライバルに大勝。神戸の三浦淳寛監督は、リバウンドメンタリティーをピッチで表現した選手たちを称えた。

 一方、浦和のリカルド・ロドリゲス監督は「ショックの大きい試合になってしまった」と話し、「立ち上がりが良くなくて、そのあとも快適にボールを動かすことができなかった。球際でも相手に負けていた。一方で彼らは決定力の高さが際立っていました」と完敗を認めた。7戦無敗の間の失点はわずか2点だったが、この1試合で5失点。持ち味を出すことができず、まさかの大敗を喫することになった。


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