FC東京の渡邊凌磨が、少年時代のあこがれのクラブに堂々と立ち向かった。9月25日の明治安田生命J1リーグ第30節で浦和レッズと対戦。1カ月ぶりの先発出場を勝ち取った渡邊は猛然とゴールに襲いかかったが、45分のプレーに終わり悔しさを隠さなかった。

上写真=渡邊凌磨は前半に3度のビッグチャンスを迎えるなど、積極的にゴール前に顔を出してインパクトを残した(写真◎J.LEAGUE)

■2021年9月25日 明治安田生命J1リーグ第30節(@味スタ/観衆4,875人)
FC東京 1-2 浦和
得点者:(F)田川亨介
    (浦)酒井宏樹、江坂任

「ああいうところは決めなければいけない」

 渡邊凌磨の8月25日以来の先発でのプレーは、45分で終わった。

 9月25日のJ1第30節は浦和レッズとの対戦。埼玉県東松山市出身で、少年時代のあこがれのクラブが相手だ。中2日で迎える厳しいスケジュールの中で、先発メンバーの右サイドハーフとして白羽の矢が立った。

 久々の先発には「まずは得点に絡むことを意識しました」。まさにそのとおりのプレーで、特に30分すぎには連続してゴールを脅かした。

 32分、スルーパスに反応して相手ペナルティーエリア内でアレクサンダー・ショルツと競り合い、もつれたところで倒れたがPKはなし。このプレーで得た右CKでは、鈴木準弥のキックが相手クリアで逆サイドに流れたところを、右足でコントロールして左足ボレーでコンパクトに鋭く狙ったが、DFにはじかれる。34分には自ら中央に強引に持ち込み、スクランブルになって左にこぼれたボールを田川亨介が浮き球で中へ、これを左足のハーフボレーで狙ったが、ボールがやや後ろに入ってミートしきれなかった。37分には自らが起点になって右から崩し、永井謙佑を走らせると、ボールが逆サイドに移る間にゴール前へ。左からの安部柊斗のクロスをヘッドでたたくが、これもやや後ろに来たためにGK西川周作の正面を突いた。

「ああいうところは決めなければいけないと思うので、いろいろと要素はありますけど、決めるために何が必要か考えていきたいと思います」

 決めきれないもどかしさをのぞかせながらも、それでもゴールの匂いはしていたから、前半での交代が悔やまれた。

 守備でも労を惜しまずに走り続けた。「ワイドの選手についていくことは言われていた」がベンチの指示。「そこを意識しながら、かつ、なるべく出ていけるようにしましたが、なかなかうまくいかなかった」と浦和に長い間、主導権を握られた戦いに反省を残す。「どうすればよかったのかはわかっていましたが、それを自分だけでやってもダメだし、でももっとやる方法はあった」と守備の連係の構築を高める必要性を口にした。

 レアンドロがこの試合を含めて5試合出場停止という状況で、渡邊にも期待がかかる。この日の45分で漂わせた「ゴールの匂い」は、次のチャンスで結果に結びつけてみせる。

取材◎平澤大輔 写真◎J.LEAGUE


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