上写真=大分戦のハットトリックなど、好調の前田大然が横浜FMを引っ張っている(写真◎J.LEAGUE)
15ゴールで得点ランクトップタイ
8月のJ1月間MVPに輝いたのは、横浜F・マリノスのFWレオ・セアラ。7試合で6ゴール3アシストという結果は見事だったが、その次に好成績を残したのは、6試合で4ゴール1アシストを記録した同じ横浜FMの前田大然である。いわば「準MVP」。
同じく横浜FMのマルコス・ジュニオールも同じ4ゴール1アシストだからこのチームの快進撃ばかりが目立つ結果になったが、さらにデータを見ていくと、前田は枠内シュート5本で4得点なのだ。8割の命中率を誇ったわけだ。レオ・セアラは12本で6ゴールで5割、マルコス・ジュニオールは6本で4ゴールと6割6分だから、大きく上回る結果になっている。
その好調ぶりはまだまだ続き、9月11日の第28節サンフレッチェ広島戦でもゴールを挙げている。8分に先制されたあとの36分の同点ゴールだった。マルコス・ジュニオールのミドルシュートをペナルティー・エリアの中でコースを変えて流し込んだ。試合後には「コースを変えたというよりは足に当たった感じです。でも、あのゴールが流れを引き寄せたとは感じています」と喜んだ。
これで得点ランクトップタイの15点。並んだ相手はヴィッセル神戸からセルティック(スコットランド)に移籍した古橋亨梧だから、追い抜くのは時間の問題だ。
「まずは亨梧くんに並ぶところは目標にしていたので、そこをクリアできてよかったです。ここから毎試合取っていけば、残り10試合で20を超えるので、そこを目標にしたいと思っています」
1試合消化は多いものの、首位の川崎フロンターレには再び勝ち点1差に迫っている。そうなると、逆転優勝と得点王という「最高級ダブル」の実現に期待してしまう。だが本人は、いつもと変わらずに、無欲でひょうひょうとしている。
「フロンターレのことはあまり見ずに、自分たちがやるべきことをしっかりやって、最終的に優勝できればいいと思っています。まずは自分たちのサッカーをして、目の前の試合に勝てればいい」
9月18日の第29節はビッグゲームだ。名古屋グランパスとのアウェーゲーム。堅守が売りのチームだから、絶好調を思う存分ぶつける相手として不足はない。
「守備がしっかりしていますし、失点ゼロで抑えている試合が多いので、自分たちの攻撃サッカーを見せてたくさん取りたいです。攻撃陣にも名前のある選手がいるので、そこを抑えて自分たちが取れればいいかなと思います」
スーパースプリントで名古屋の壁に風穴を開けて、勝利に導く。自らゴールを決めて得点ランク単独トップに立てれば最高だ。