上写真=FC東京が味スタに帰ってくる。長谷川健太監督も気持ちが入っているという(写真提供◎FC東京)
「尻込みするようでは勝利はつかめない」
同じ失敗は繰り返すわけにいかない。
中断明けのJ1を前にして、長谷川健太監督が強調するのが「ホッとしてしまったらおととしの二の舞になってしまう」こと。2019年はアウェーで8連戦、残り3試合でホームに帰ってきたところで痛恨の2引き分けを喫し、最終節の横浜F・マリノスとの直接対決で敗れて優勝を逃した。
「ここからギアを上げてしっかり戦うことができるかどうか。とても大事な初戦だと思っています」
今回はアウェーでの7連戦を乗り切って、残り11試合というタイミング。そのうち8試合がホームの味の素スタジアムで戦える。いわゆるロードに出て帰ってくるとホッとしてしまう、というのは、「うれしくて前のめりになって」「多少空回りしてしまう」という意味。長谷川監督自身もホームで戦える幸せを強く感じていると認めていて。「ここでいい形で入れれば、今後のいい流れができる。そのための大切な初戦」という位置づけなのだ。
対戦相手が柏レイソルというのも、きっかけにしたい。今季はチーム作りに苦労して一時は5連敗。それを止めたのが、5月15日のアウェーゲームだった。4-0の完勝。
「軌道修正して今季はこれで行くんだ、ということで柏戦から取り組んできました。そんな再出発の相手だったと思っています。そういう相手に対してここ数カ月の成長をしっかりと見せつけることができるか」
あれからおよそ4カ月。AFCチャンピオンズリーグ出場権を獲得できる3位は、まだ十分に射程圏内だ。ルヴァンカップでもベスト4に進出して連覇まであと3試合。
「柏もあのときとは違うチームで、上位と遜色ない戦いをしているので自信を持ってくると思います。そういう相手に、取り組んできたことがどこまでできるか試される一戦です。思い切って挑んでいきたい」
ホームに戻ってきて最初のゲーム。サポーターの期待はとにかく大きい。「ホームで勝ちにこだわるということで前のめりになりがちで、そこを突かれたりとホームはホームの難しさはありますが、そういうリスクというか結果を恐れて戦いにいかなかったり尻込みするようでは、残りのホーム8試合で勝利はつかめません」ときっぱり。
「気持ちが入りすぎず緩みずぎずいい緊張感で」
それが最大のポイントになりそうだ。