上写真=ガンバ大阪戦に向けてトレーニングする小菊昭雄監督(写真◎セレッソ大阪)
大阪ダービーで初陣に臨む「負けたくない相手」
レヴィー・クルピ監督の契約解除を受け、セレッソ大阪を率いることになった新指揮官、小菊監督が初陣に臨む。チームの成績がなかなか上がらない中、25日に湘南ベルマーレにホームで1-5と大敗した翌日、森島寛晃社長から「小菊にチームをしっかり立て直してほしい」と言われたという。
「これまでも自分が監督という立場ならどうするかを常に考えてきましたが、もうやるしかないと。今こそ、自分の経験を還元するタイミングだと思って引き受けました。このクラブが困難なときほど、自分は立ち向かって行かないといけないという思いはずっと持っていました」
1998年からスカウトや育成年代のコーチ、強化担当、そしてトップチームとさまざまな形でセレッソ大阪のために力を注いできた。それらすべての経験を苦しむチームに注ぎたいと小菊監督は話した。
「コーチとしての時間が長かったので、さまざまな監督のもとでたくさんの貴重な経験をさせていただきましたし、トレーニングの引き出しも増やすことができました。その貴重な経験をどこかで還元したいなという思いはずっと持ちながら取り組んでいました。実際、監督という立場になって、今までの一緒に仕事をした監督の皆さんの大変さややり甲斐をこの2日間でも感じますし、大変刺激的な時間を過ごしています」
新指揮官の初陣の相手は、ライバルのガンバ大阪だ。いきなりプレッシャーのかかる試合を迎える。しかも異例な形で。
「私自身、育成年代を指導しているときから、負けたくない相手でした。子どもたちにも常々言っていましたし、その中でこのタイミングで初戦がガンバ大阪で、しかも3連戦。何か深い縁を感じます。運命なのかなという気持ち。スタートを切るには最高の相手だと思いますし、わくわくしています」
28日にJ1の第27節を敵地で戦い、9月1日にルヴァンカップの準々決勝第1戦をホームで迎える。そして5日には再び敵地に乗り込んで第2戦に臨む。大阪ダービー3連戦からチームの立て直しを図ることになる。
「セレッソは攻撃的なサッカーが身上だと思います。ただ私はハードできない選手は使わない。守備をまずしっかりやってこその攻撃だと思います。攻撃に長けた選手が守備を頑張るからこそ、チームが引き締まる。選手は練習でも、守備の部分をすごくハードにやってくれました。私の意図を汲んで取り組んでくれています」
初陣には2日間の練習だけで臨むことになるが、小菊監督は選手選考の基準をきっぱりと口にし、早速、働きかけている。チームは現在、12位。ライバルとの対戦で、浮上のきっかけをつかめるか。ダービー3連戦の初戦は本日28日19時、パナソニックスタジアム吹田でキックオフとなる。