上写真=先制ゴールを挙げた深井一希(写真◎J.LEAGUE)
■2021年8月9日 明治安田生命J1リーグ第23節(@札幌ドーム/観衆8,330人)
札幌 2-1 浦和
得点:(札)深井一希、小柏剛
(浦)明本考浩
・札幌メンバー:GK菅野孝憲、DF田中駿汰、宮澤裕樹(82分:柳貴博)、福森晃斗、MFルーカス・フェルナンデス(72分:荒野拓馬)、駒野善成、深井一希(72分:高嶺朋樹)、菅大輝(85分:青木亮太)、金子拓郎、チャナティップ(82分:岡村大八)、FW小柏剛
・浦和メンバー:GK西川周作、DF西大伍(88分:阿部勇樹)、槙野智章、岩波拓也、宇賀神友弥(76分:汰木康也)、MF関根貴大、柴戸海、伊藤敦樹、明本考浩、FW江坂任(76分:大久保智明)、興梠慎三(62分:キャスパー・ユンカー)
われわれが勝利に値した(ペトロヴィッチ監督)
札幌は東京五輪開催に伴うリーグ中断中にも、7月30日に未消化分のG大阪戦があったため、それほど大きく試合の間隔が空いたわけではないが、浦和は7月10日以来、約1カ月ぶりの試合となった。
その差が出たわけではないだろうが、先制点を奪ったのは試合開始から『動けていた』札幌だった。右CKの場面で福森のキックを深井が打点の高いヘッドでゴールに変える。1点を取ったことでチームはよりアグレッシブな姿勢を打ち出すようになり、浦和に対して切り替えの早さと走力で対抗していく。前半はそのままのペースでリードを守った。
後半、浦和も攻撃にギアを入れてサイド攻撃からゴールを目指した。しかし、そんな浦和の攻め気を札幌の小柏が削ぐ。58分に自陣からチャナティップが前線へ送った浮き球パスを槙野を抑えながら収めると、そのままグッと前に出てシュート。西川を破り、リードを2点に広げた。
2点差をつけられた浦和は興梠に代えてユンカーを投入。すると直後の66分に右CKの流れから岩波が頭でつないだボールを明本が左足ボレーで叩き込み、1点を返した。
その後はオープンな展開となり、目まぐるしく攻守の切り替えが行なわれたが、結局スコアは動かず。札幌が3試合ぶりに勝利をつかみ、浦和は再開初戦を落とすことになった。
「このゲームは前節、ガンバ戦に敗れて非常にプレッシャーのかかるゲームでした。その中で選手たちは立ち上がりから素晴らしいサッカーを見せてくれた。非常に高いテンポとハードで、アグレッシブな戦いを見せてくれたと思います。選手たちは自分たちの狙いを出してくれました。浦和は非常に質の高いサッカーをしますが、前からからしっかりプレッシャーをかけて、相手にサッカーをさせないくらいの圧力をかけ続けた。よく走り、戦い、狙いを持ったプレーを見せてくれました。われわれが勝利に値するゲームができたと思う」
ペトロヴィッチ監督は「勝利に値した」と試合を振り返った。相手よりも走りの部分で上回るというゲームのベースと鋭いアプローチ、前への意識は徹頭徹尾、失われることはなかった。ボールを奪ってからの選択でもその意識が決め手になった。小柏の得点はまさにその姿勢が実を結んだ形。札幌は自分たちの持ち味を最大限発揮し、リーグのリスタートを飾った。