浦和レッズから横浜F・マリノスへ。杉本健勇がストライカーとしての本能に従って新天地を求めた。シーズン途中での移籍には大きな覚悟がある。残り半年、チャレンジしたいという気持ちが上回り、今度は青のユニフォームを着てリーグ優勝へ突き進むつもりだ。

上写真=杉本健勇がシーズン途中の決意の移籍にも「リラックスしている」(写真提供◎横浜F・マリノス)

「復活してもう一度、日本代表にも戻りたい」

 杉本健勇がシーズン途中で浦和レッズから横浜F・マリノスへの移籍を決めた。1月31日までの期限付きとはいえ、思いは深い。

「レッズでなかなか試合に出られない中でマリノスさんから話をもらって、レッズで結果を残したかった気持ちがありましたけど、残り半年、チャレンジしたいと思って」

 横浜FMとしては、ここまで12ゴールを挙げているオナイウ阿道がフランスのトゥールーズに移籍したことで、ストライカーを補強する必要に迫られていた。杉本はセレッソ大阪時代の2017年に22ゴールを挙げた実績がある。

「目標は何点と決めていないですけど、チャンスがあれば全部決めたいと思っています」

 チャンスはたくさん来ると感じている。だからこその移籍でもあったと明かす。

「マリノスとは何回も対戦して、試合も見ている中で、ハイプレスでみんなハードにタフにプレーするというところは見ていて思います。練習していても感じましたけど、縦への意識が強いので、どんどんサイドから早いクロスを合わせてくれる選手が多いですね。ポジションによって役割がはっきりしていると感じたので自分自身もわかりやすいですし、チャンスは来ると思うので、真ん中でしっかり決められるかどうかは自分自身だと思います」

 杉本は187センチの長身を生かしたポストプレーが得意だが、加えて裏へすり抜けたりトリッキーなアクションで相手を惑わせたり強烈なシュートを放ったりとプレーの幅が広い。動かずに構えて待つだけのポストプレーヤーではない。だから、変幻自在のクロスに合わせるにはうってつけのセンスを持っている。そのすり合わせの作業に、この中断期間の少ない時間を費やしていく。

 C大阪、東京ヴェルディ、川崎フロンターレ、浦和に次いで、5つ目のクラブになる。これまでの移籍でも新しい仲間に特徴を理解してもらいながら溶け込んでいった。

「求め合うことはすごく大事だと思います。コミュニケーションを取りながら、特徴はプレーで見せないといけないと思います。お互いの特徴は練習をすれば分かるので、どうやって、というように細かく考えていないですけどね」

 自然体でわかりあうのが杉本流だ。

 背番号は41。浦和時代の14を入れ替えた、というわけではないという。

「そういうわけではないんです(笑)。ヴェルディにいたときに41を着けていたんですけど、当時のヴェルディの強化にいた昼田さんがいまマリノスにいて(アシスタントスポーティングダイレクター)、これも縁なのかなと。41は好きな番号ですし、原点に帰ったという感じで、何番がいいかを聞かれて即決で41にしました」

 初めてC大阪を出て加わった東京Vでは、2012年の最初の半年で18試合5得点。夏にC大阪に戻ってから出場機会を増やして、ついに主力に定着した。いわば、縁起のいい数字だろう。

「試合に飢えているし、点を取ることにも飢えているし、いまは本当に試合に出たいし点を決めたいしチームを勝たせたい気持ちです」

「ゴールを決めてマリノスの優勝に貢献したい」

「復活してもう一度、日本代表にも戻りたい。いまは可能性は低いけれど、コツコツやって結果で示すしかない」

「いろいろな人を見返したい」

 前向きな言葉がどんどんと出てくる。それを証明するゴールが楽しみだ。


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