7月10日の明治安田生命J1リーグ第22節で、横浜F・マリノスはアビスパ福岡の挑戦を2ゴールで退けた。これで6連勝としたが、この間、失点はわずかに2だ。堅守の中心にいるチアゴ・マルチンスは、難しい時期を乗り越えて勝利を重ねるチームが誇らしくて仕方がない。

上写真=キャプテンマークを巻いて堂々とピッチに立ったチアゴ・マルチンス。リーダーとしてそびえ立つ(写真◎J.LEAGUE)

「団結して全員がまとまって」

「僕は本当にこのチームを誇りに思います」

 チアゴ・マルチンスが感慨深く振り返る。

 横浜F・マリノスは1カ月前に魔の1週間を迎えていた。JリーグYBCルヴァンカッププレーオフステージ、6月6日の第1戦で北海道コンサドーレ札幌に1-1、中2日で迎えた天皇杯2回戦ではJFLのHonda FCに2-2からPK戦3-5で屈して敗退、13日のルヴァンカッププレーオフステージ第2戦では札幌に1-3で黒星を喫し、こちらも大会から姿を消すことになった。1週間で3大タイトルのうち2つを失ったのだ。しかもこの間にアンジェ・ポステコグルー監督も退任し、ピッチ内外で困難な時間を迎えていた。

 それを乗り越えて、リーグ戦では6連勝を達成だ。7月10日のJ1第22節でアビスパ福岡に2-0で勝利。好調のイメージを残したまま、およそ1カ月の中断期間を迎えることになった。

 6連勝の要因の一つが、引き締まった守備だろう。6試合でわずか2失点。その中心にいるのが、センターバックのチアゴ・マルチンスだ。

「このチームはいま、すごくいい流れで来ています。守備でみんながハードワークしてくれて、フォワードから守備を始めてパスコースを限定して、全員でオーガナイズしているからこそ、難しいときでもしっかり守ることができて勝ちにつなげられています」

 6月の1週間の苦しみを、勝利で洗い流した。前を向いて進んできたチームの総力を、チアゴ・マルチンスは称えている。

「天皇杯とルヴァンカップで負けた難しい時期から立ち直ることは大事でした。そのために団結して全員がまとまって、切り替えて前を向くという考えでやってきていますし、だからこそ6連勝という結果が出ていると思います。これまでやってきたパフォーマンスをみんなで称えたいし、僕は本当にこのチームを誇りに思います。このパフォーマンスを維持して目標を達成したいと思います」

 36分にはエミル・サロモンソンのシュートを目の前で頭部に受けてそのまま卒倒、脳しんとうも疑われたものの、すぐにピッチに戻った。周囲の心配をよそに「衝撃は強かったけれど、当たったのはボールだったのでその後は普通でしたし、クラクラすることも頭が痛むこともなく、プレーできると思ってピッチに戻りました」と振り返るが、十分に検査を受けるなどの措置は必要だろう。

 これで勝ち点を46として、首位川崎フロンターレとは1試合消化が少ない状況で9差に詰めた。中断期間が開ける1カ月後から再び連勝街道を走るために、チアゴ・マルチンスが先頭に立ってハードワークを続けていく。

取材◎平澤大輔 写真◎J.LEAGUE


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