FC東京に加わった鈴木準弥。負傷者が続出した右サイドバックとして、ブラウブリッツ秋田での活躍で白羽の矢が立った。三笘薫らユニバーシアードで一緒に優勝した仲間が華々しく活躍する中、早稲田大卒業後に渡ったドイツで学んだ守備のテクニックをJ1の舞台で遠慮なく披露するつもりだ。

上写真=鈴木準弥は藤枝MYFC、ブラウブリッツ秋田を経て、ついにJ1の舞台に挑む(写真提供◎FC東京)

「遠慮せずに強みの部分でチャレンジ」

 遠慮は弱みになる。鈴木準弥のたくましいプレーの源は、その思考にありそうだ。

 ブラウブリッツ秋田からFC東京に移籍してきた右サイドバックのキャリアをひも解くと、早稲田大卒業後にまずドイツ3部のアーレンに所属している。

「ドイツに行ったことは自分には大きかったです。遠慮していたらなかなか周りからも信頼してもらえないし、弱みになってしまうので、ドイツに行ったことで遠慮せずに強みの部分でチャレンジして、失敗してもやり続けることを学びました」

 2019年にJ3の藤枝MYFCに移り、2020年からブラウブリッツ秋田へ、昇格を果たして今季、J2でハイパフォーマンスを見せたのも、「遠慮なし」の流儀で戦ってきたからだ。そして、FC東京へ。

「気持ちとしてはもっと早く行きたかったけれど、大学を卒業してJ3から始まって、1年1年でステップアップできているのは、自分が思っていたよりは早くここまで来ることができたかなと思っています」

 2017年のユニバーシアードの優勝メンバーだ。このときの顔ぶれがすごかった。現在の所属チームで見ていくと、GK永石拓海=アビスパ福岡、小島亨介=アルビレックス新潟、DF坂圭祐=大分トリニータ、宮大樹=福岡、岩武克弥=横浜FC、小池裕太=セレッソ大阪、菊池流帆=ヴィッセル神戸、MF重廣卓也=福岡、守田英正=サンタ・クララ(ポルトガル)、脇坂泰斗=川崎フロンターレ、松田天馬=京都サンガF.C.、戸嶋祥郎=柏レイソル、柴戸海=浦和レッズ、名古新太郎=湘南ベルマーレ、三笘薫=川崎F、FWジャーメイン良=横浜FC、中野誠也=大宮アルディージャ、旗手怜央=川崎F、と軒並みトッププロになっている。

 仲間たちの飛躍を見て「悔しさしか感じていない」というのが、鈴木のこれまでだ。

「ユニバーでやっていた選手が、大学4年の夏ぐらいに自分以外はほとんどJ1入りが決まっていました。ドイツには行きましたけど、帰ってきてJ3から始まってようやくユニバーで戦っていた選手たちのステージに来ることができました」

 追いついた。次は、追い越す番だ。ドイツで会得した守備のテクニックを、J1の舞台で披露する。

「球輪の激しさとかボールを自分のところにこぼす激しさ、ですね。海外の選手は激しいだけではなくて、自分のところにボールを転がさせる技術があるので、そういうところは学びましたし、J3、J2と試合に出てきている中でも強みとして出していきたい部分でもあったので、J1でもさらに自分で強化して出せたらいいと思います」

 今年、FC東京では右サイドバックのポジションが負傷者が続出していることもあって定まらない。その中で舞い込んだオファーをつかんだ。あとはピッチで証明するだけだ。

「攻撃で言えば、自分のクロスから得点やチャンスにつながるようにどんどん積極的に狙いたいと思います。守備では1対1のサイドでの対人で負けない、厳しくいくところを出していければ」

「ロングスローであったり、秋田でもセットプレーで蹴っていたので、そういうところから得点源になれればいいと思っています」

 青赤に染まって遠慮なく戦う姿は、FC東京のこの夏の大きな魅力になるかもしれない。そして、例えば、10月2日の第31節川崎フロンターレ戦で、ユニバー代表の仲間だった脇坂、三笘、旗手と堂々と勝負する日がいまから楽しみだ。


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