サンフレッチェ広島MF川辺駿が、スイスのグラスホッパーへの完全移籍でクラブ間での基本合意に達したことが発表された。今年に入って日本代表でも台頭してきた地元・広島出身の生え抜き選手が、シーズン途中に海外に活躍の場を移す。

上写真=スイスのグラスホッパーへの完全移籍がクラブ間で基本合意に達した川辺(写真◎J.LEAGUE)

磐田への期限付き移籍で成長

 1995年9月8日生まれ、広島県広島市出身の川辺は、地元の広島高陽FCからサンフレッチェ広島ジュニアユース、同ユースと進み、高校3年時の2013年にユース所属のままプロ契約を締結。同年に早くもJ1リーグ3試合に出場した。
 
 14年のトップチーム昇格後は出場機会が減り、15年にジュビロ磐田に期限付き移籍。当時の名波浩監督に高く評価されて主力として活躍し、1年目にJ1昇格に貢献した。期限付き移籍を延長して計3年間プレーして成長を遂げ、17年にはJ1で6位に食い込む原動力となっている。
 
 18年に広島に復帰し、19年と昨季はリーグ戦全試合に出場した。今年3月には日本代表デビューを果たし、6月7日のタジキスタン戦で代表初ゴールを記録。同11日のセルビア戦は後半開始からの出場で流れを変える働きを見せ、同15日のキルギス戦では、鮮やかなドリブル突破からのセンタリングでFWオナイウ阿道のゴールをアシストするなど、印象的な活躍を見せた。

 川辺は7月3日の明治安田生命J1リーグ第21節・サガン鳥栖戦が広島での最後の試合となり、試合後には壮行セレモニーが行なわれる。その後、現地でのメディカルチェックなどを経て正式契約が結ばれる予定だ。クラブを通じて本人が発表したコメントは以下の通り。

「このたび、スイス・スーパーリーグのグラスホッパー・クラブ・チューリッヒへ移籍することになりました。
 
 このタイミングでチームを離れることは簡単な決断ではありませんでしたが、一(いち)サッカー選手として新しい挑戦をしたいという思いが強く、移籍を決めました。
 
 コロナの影響で降格クラブ数の多い難しいシーズンの中にもかかわらず、自分の気持ちを尊重して受け入れてくれたクラブ、特にチームスタッフとチームメイトには感謝しています。
 
 ジュニアユース時代から数えると11年を過ごしたサンフレッチェを離れること、また生まれ育った広島を離れることに寂しさはあります。でも、いまはそれ以上に、応援してくださっている方々に新しい環境で成長した姿を見せたいという気持ちで一杯です。
 
 サンフレッチェの一員ではなくなりますが、これからもサンフレッチェのことが大好きですし、ずっと応援し続けています。
 
 皆さん、これまで本当にありがとうございました。
 
 また最後になりますが、自分の地元でもある広島に新スタジアムができる日をとても楽しみにしています」
 


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