上写真=プロ入り後の初ゴールを決めた常本佳吾(写真◎J.LEAGUE)
■2021年6月27日 J1リーグ第20節(@カシマ/観衆7,953人)
鹿島 4-0 札幌
得点:(鹿)犬飼智也、ディエゴ・ピトゥカ、常本佳吾、エヴェラウド
「サイドバックとしてゴールにつながるプレーが求められる」
右サイドバックの伏兵が“ゴール”という結果でもチームの勝利に貢献した。
2点をリードして迎えた63分、ボールを持ったエヴェラウドがゴールに向かって突進する。そのとき、「自分は並走しながら、エヴェ(エヴェラウド)のシュートのこぼれ球を狙う意識もありました」と常本佳吾もペナルティーエリア内へと入っていき、エヴェラウドのドリブルが相手DFに止められるといち早く反応して、「いい形でこぼれて来たので、真っ直ぐに(シュートを)打つだけだった」と右足でゴールに蹴り込んだ。
勝利を決定づけるチームの3点目は、明治大学から加入したルーキーにとって待望のプロ初ゴールともなった。「カシマスタジアムでの待望のゴール。喜び方は慣れていないけれど、鹿島の勝利のために得点できたことがうれしいです」と得点後は満面の笑顔を見せた。
「攻撃面が課題」と話していた常本にとって、1週間前の第18節仙台戦は特に悔しさの残る試合となった。前半に3本のシュートチャンスが訪れたものの枠に飛ばすことができず、チームは後半に失点して勝利を奪うことができなかった。「前々節では決定機で決められなくて悔しい思いをしました。(引き分けの結果は)自分の責任だと思うくらい」と背番号32は自らを責めた。
それから札幌戦までの1週間、「守備だけではなく攻撃でも勝利に貢献したい。自分にチャンスがあったら絶対に決めたい」と、悔しさをバネにさらなる鍛錬を重ねた。「本当に悔しい思いをして、クロス練習もそうだし、ゴールにつながるプレーを意識していた」とトレーニングに打ち込んだ。札幌戦では練習の成果が結果に表れたとも言えるだろう。
「ゴールであったり、アシストであったり、サイドバックとしてゴールにつながるプレーは求められているところでもあります。今日、ゴールできたけれど、クロスの場面でアシストできるチャンスもあったので、その反省もしながら、これからも前向きに練習していきたいです」
チームに勝利をもたらすサイドバックになるために、常本佳吾はまだまだ進化を止めない。
取材◎サッカーマガジン編集部 写真◎J.LEAGUE