上写真＝前嶋洋太は守備をベースに置きながらも、後半は積極的に前進していった（写真◎J.LEAGUE）
■2021年6月19日 明治安田生命J1リーグ第18節（＠ニッパツ/観衆3,537人）
横浜FC 0-1 FC東京
得点：（F）アダイウトン
「いままでの自分たちに比べたらやりたいことはできました」
サッカーの真理を突きつけられるような惜敗だった。
「ゴールを守るところ、点を取るところがサッカーでは一番大事で、そこが足りなかったと思います」
前嶋洋太は1点が遠かった90分を悔やんだ。6月19日、ホームのFC東京戦。朝からの雨でスリッピーなピッチコンディションだっが、それに影響を受けたのはアウェーチームのほうだっただろう。細かなミスをこちらがうまく引っ掛けながら、攻撃の糸口を主に左サイドに求めて、高木友也と武田英二郎の突破力でチャンスを作っていった。
「いままでの自分たちに比べたらやりたいことはできました」
それでもどうしても、1点が奪えなかった。前嶋も主導権を握った後半には前に飛び出してチャンスメーク、89分にはジャーメイン良とのワンツーで抜け出して絶妙なセンタリングを送り込むが、高木友也に渡る直前でGK波多野豪に触られてしまった。
前嶋には右サイドの守備の重要なタスクがあって、対面の快足アタッカー、アダイウトンと、今季初出場初スタメンながら強力な左足を持つサイドバックのバングーナガンデ佳史扶を抑え込まなければならなかった。
「最初はアダイウトンのスピードやフィジカルを自分が警戒しすぎて、間合いを取りながらやっていたら、サイドバックの選手に回られるということが多かった」
確かにこの2人の縦のコンビネーションでサイドを割られたシーンは多かった。だが、同じサイドの松浦拓弥と連係してリカバーした。
「自分が（アダイウトンに）前を向かせないように寄せるところと、松浦選手と話しながらアダイウトンに行っていいからオレが下がると言ってくれたので、試合を通して改善はできたと思います」
そうして徐々に攻撃にも関与できるようになっていった。
「流れの中ではやりたいことができていたので、続けていこう、点を取るためにはもう1つ2つ、ギアを上げなければいけないと話してました。そこは良かったと思いますけど、サッカーは点を取ってゴールを守るスポーツです。自分たちを見つめ直して、いい方向には進んでいると思うので続けていきたいと思います」
勝てそうで勝てないもどかしさと、それでも進む道に間違いはないという実感。突き抜けるまでにもう少しだ。
取材◎平澤大輔 写真◎J.LEAGUE
