6月19日の明治安田生命J1リーグ第18節で、FC東京は横浜FCとのアウェーゲームを1-0で逃げ切った。ブラジルトリオで決めた1点を全員で守り抜いたが、最終ラインで壁になったのが渡辺剛。自分を信じ抜くことで「0」を楽しんだ。

上写真=渡辺剛がクレーベとエアバトル。激しくしたたかにゴールを守った(写真◎J.LEAGUE)

■2021年6月19日 明治安田生命J1リーグ第18節(@ニッパツ/観衆3,537人)
横浜FC 0-1 FC東京
得点:(F)アダイウトン

「攻撃陣も全力で守備してくれて」

 横浜FCに1-0で勝利。6月19日のJ1第18節で、FC東京のセンターバック、渡辺剛と仲間たちは90分を無失点で乗り切った。

「一時期に比べて全員攻撃全員守備ができるようになってきました。攻撃陣も全力で守備してくれて、後ろの僕たちは楽になっています。前線が頑張ってくれているので、前に比べて全体の守備意識が強くなったと思います」

 前が頑張れば、後ろが頑張らないわけにはいかない。悪夢の5連敗から抜け出したあと、5試合を終えて3勝1分け1敗と復調しつつある。敗れた清水エスパルス戦以外はクリーンシートだ。

「楽な試合はないと思っていますし、押し込まれている試合もしっかり守って勝たなければいけない。ゼロで抑えて勝てるのは守備の楽しみでもあるので」

 チームの勝利が第一だから、1点でも上回ればいい。ただ、守備の要としては失点がゼロであれば充実感に包まれ自信も増す。特にこの横浜FC戦は朝からの雨でピッチは滑り、試合中も断続的に雨が落ちてくるコンディション。アクシデントが起きやすいから、守るほうにはやっかいだった。さらには、右サイドから飛んでくるクロスは相手のストロング。注意が必要だった。

「横浜FCさんはクロスからクレーベが決めにくるというのはスカウティングでわかっていたことでしたから、クレーベにやらせない意識で臨みました。クロスへの対応はうまくできていましたが、単純なロングボールには苦労しました」

 横からのボールももちろん怖いが、縦に長いボールを収めるのもクレーベの得意のプレーで、そちらは何度も森重真人が厳しく対応していった。渡辺の相手は主にジャーメイン良。こちらはスピードタイプのアタッカーだ。

「スピードのある選手だと分かっていたので、入れ替わられてスピードに乗せないようにすることを意識していました。チャレンジしないと相手のペースになるので」

 しっかり当たりに行くところと、うまく距離を持っていなすところを使い分けていったという。

「まだまだ足りないですが、自分のプレーを自分が信じないと生き生きとプレーできません。自分が一番、自分を信じないと。そうやって勢いを出してポジティブにやることが大事です」

 ブラジルトリオが揃って調子を上げてきて、守備も安定。「0の楽しみ」をたっぷり味わって、上昇気流をしっかりつかみたい。

取材◎平澤大輔 写真◎J.LEAGUE


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