上写真=早川知伸監督が2試合続けて後半から採用するのが3-4-3システム。効果も出てきている(写真◎J.LEAGUE)
瀬古樹と手塚康平に求めるもの
横浜FCが3-4-3の配置で戦う機会が増えてきた。5月19日のルヴァンカップ第6節浦和レッズ戦で後半から、22日のJ1第15節川崎フロンターレ戦も後半から採用している。どちらも試合後には早川知伸選手も選手たちも悪くはない感触を口にしていて、今後のスタンダードの一つになるかもしれない。
浦和戦で早川監督は、守備時に5バックに構えてしっかり相手の攻撃をストップしてから攻めに出る意図を明かし、川崎F戦では3トップの右に入った松浦拓弥が相手の嫌がる中間ポジションで受けることができて、それがきっかけでゴールに結びついた効果を話している。次はアビスパ福岡戦。現在6連勝と絶好調だが、4-4-2をベースとするチームにどう対応するのかは、この試合の一つの見どころになるだろう。
4バックでも3バックでも、立ち位置がほぼ変わらないのはボランチの2人だ。川崎F戦では瀬古樹と手塚康平が務めていた。2つのシステムを操るチームのキーマンになりそうだ。
「攻撃のところでいうと、ボールを動かすタスクで引き出せること、そして常に中心になってボールを出すところを求めています」
早川監督が2人に託した働きの一つが、ボールを動かす中心になることだった。
「守備でいうと、センターバックの前にスペースを空けたくないので、2人の関係で守備のバランスを取ってほしいと伝えています。攻守ともに2人の関係、バランスが重要になってきます」
このコンビに期待しているのは、戦術理解を表現する力だ。
「手塚と瀬古が非常に忠実にタスクを全うして、特徴を出してくれています。もっともっと、というところもあるけれど、戦術理解力が高くて、しっかりやってくれています。安永(玲央)にもその中で同じようなことを求めています」
そもそも、「あくまで相手ありきなので、こちらの強みを出すところと相手のストロングをいかに消すかというところで、その手段の一つとして」というのが、システムというものに対する早川監督の考え。やるべきことを整理して表現していくための配置変更ということになる。
「基本的には選手それぞれの戦術行動が、どう整理できて明確になるかどうかが大事です。そこが前節や浦和戦でシステム変更することによってうまくできていた部分もあると感じています」
福岡への警戒ポイントは、3つ挙げた。
「両サイドバックの強みがあると思うので、警戒しなければいけないと思います。点を取る選手もいますので、注意が必要です。あとは、強みであるセットプレーは注意しなければならないと感じています」
どのようにして彼らの強みを消しにいくのか。早川監督の「仕込み」が楽しみだ。